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2007年3月17日 (土)

■マニューバ・ブック■

『メガゾーン23 マニューバ・ブック』 3/25(一般販売は4/4 4/9)発売!
Mzmb_1 ●構成・本文テキスト執筆
ちょっと早い予告かも知れませんが、ネットでは予約受け付けているところもあるので、表紙をスキャンしたものを掲載します。
やまとさんのコンプリートボックスに同梱されるものには、左の表紙の上にガーランドの書き下ろしピンナップを兼ねたカバーが付きます。4/4に一般書店に並ぶものは、この写真のようにカバーがないものとなります(中身は全く同じ)。
灰色に見える背景は、実際にはガンメタルのような色味になっており、その上にタイトル・ロゴの入った透明の樹脂製ケースが付きます。ちょっと分かりづらいかも知れませんが、樹脂製ケースを外すことで初めて本が開ける構造です。
070317_17380002(←こんな感じに取り出します。樹脂製ケースはコンプリートボックス版にも付きます)
肝心の中身ですが、無印の『メガゾーン23』に特化していますので、PARTⅡやⅢの資料が欲しかった方はゴメンナサイ。その代わり、無印の『メガゾーン』のメカ、キャラ設定はほぼ全て掲載しています(たっぷりページを使って見やすくしました)。
他には、荒牧伸志さんインタビュー&描き下ろしイラスト、美樹本晴彦さんインタビュー&描き下ろしイラスト。インタビューは他に久保田雅人さん、石黒昇さん、冨永みーなさん、小野寺脩一さん、すべて昨年から今年にかけて収録したもの。あとは現存するポジとキャプチャした画像を使った名場面集、初期企画案、85年当時のガレージキット開発秘話、そして表紙を描いてくれた片桐Kさんのイラストギャラリーなど(これはなかなか凄いと関係者の間でも評判です)。
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以下、独り言です。
30代の終わりに、『メガゾーン』の本を丸一冊任されたのは、とてもラッキーだった(まあ、自分でやった分、アラも目立つけど)。インタビューの一部はライターの河合宏之さんと担当編集さんにお願いしたけど、後はすべて自分で書いた。とにかく、今までのアニメムックの定石は捨てて、アートディレクターの木村祐一さんの事務所に足繁く通って打ち合わせ、朝の5時にカメラマンと渋谷で待ち合わせて写真を撮ったり……「ここまでやることは、今後二度とないかもなぁ」と思いつつも、こうして見本が刷り上ってくると、「まだまだやれるな」という気持ちになった。
ただ、審判を下すのはお金を払うユーザーさん(期待しながらも、中身を見て買うのを控える人も含めて)だから、誇りは持っても自分の仕事を過大評価はすまい……偉大なのは、『メガゾーン』をつくった一人一人のクリエーターさん。そして、過去の作品をこうして取り扱うとき、何に留意しなくてはならないのか、さらに踏み込んで考えなくてはね。
設定資料ひとつとっても、生きた人間の描線なんだよね。その人が、人生のある瞬間、ひとつの意志を持って引いた線でしょ。それを考えたら、「固定ファンが何万人いるから、そこそこ売れる」なんて考えは絶対に通用しない。

Cap304無印の『メガゾーン23』のラストってのは、「それで、あなたの日常はどうですか?」という辛らつな問いかけになっていると思う。それは設定的に似た構造を持つ『ゼーガペイン』でも同じ。『ゼーガ』は「何気ない一日一日を大事に生きよう」というところまで踏み込んでるかな。しかし、「みんなが知っていることを、みんなで考えよう」というお話が、今は通用しないのだね。
『メガゾーン』が一度はロボットでメカ戦をやる、というSFアニメ・フォーマットに染まりつつも、ラストシーンで再び渋谷駅前という日常へ戻ってきたのには、ちゃんと意味がある。「これから、どうやって生きるの?」という残酷な問いを発するには、冒頭で省吾が由唯をナンパした渋谷に戻ってこざるを得ないわけ。世界が強固に存在し、自分がその世界に対して無力である、と認めるのは「怖い」。
でも、省吾は杖を捨てて、何とか恐怖を克服しそうな気配を見せて、ストンと終わる。ちゃんと完結してるんだよね。物語ってのは、テーマを語り終えた時に終わるわけで、主人公の運命がどうのって問題じゃないんだ。でも、今はそれじゃダメらしいね(笑)。ラノベが何巻も延々と続くのは、語り終えるべきテーマが最初からない(必要ない)からじゃないかな。その是非は、自分のこれからの仕事の中で見つけるしかない。

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コメント

ご無沙汰しております。
良い本に仕上がってそうですね。
発売を楽しみにしております!!

投稿: ローテブリッツ | 2007年3月18日 (日) 09時30分

■ローテブリッツさま
お元気ですか?
思えば、ローテさんが「非サンライズの80年代アニメ」に
着目したのが、僕の『メガゾーン』再評価の始まりでした。
今は再評価どころか、片思い状態ですね(笑)
ようやく、『メガゾーン』への22年遅れのラブレターを
お届けすることが出来そうです!

投稿: 廣田恵介 | 2007年3月18日 (日) 13時59分

廣田さん初めましてこんばんは

渋谷で写真を撮られたそうですが、それって舞台となったところを写したって事でしょうか?
自分は秋田書店のメガゾーン23グラフィティを持っていますが、それに当時の写真が載っているので、その写真と比較出来そうで楽しみです

それと石黒昇監督はマクロスの監督やメガゾーンの監督をされているにも関わらず、昨今はなかなか評価される機会が無いので今回のインタビューも楽しみです

投稿: K2 | 2007年3月24日 (土) 22時01分

■K2様
はじめまして、書き込みありがとうございます。
渋谷・新宿・原宿は、なるべく舞台に近いところへ
ロケしました。

>秋田書店のメガゾーン23グラフィティ

ああ、はいはい(笑)。あの本では、割とにぎやかな
感じに撮っていますよね。世相を反映してるというか。
「マニューバ・ブック」では、カメラマンさんの個性を
なるべく出してもらったんですよ。

石黒監督は、とても不思議なポジションにいる方ですね。
今回のインタビューで、ちょこっと新事実も出ましたから、
ぜひ楽しみにしてください。

あと、価格が高くてすみません。こればかりは僕には
決められないので……

投稿: 廣田恵介 | 2007年3月24日 (土) 22時57分

>物語ってのは、テーマを語り終えた時に終わるわけで

全くもって同感です。
だから、何度見ても楽しめるのだと思います。展開は
同じでも、年齢やその時の自分の状況でラストシーンの
受け取り方が微妙に違ってくるかもしれない。
ゆえに、私もPART1が一番好きで、PART2はまた別物
として割り切ってみています。

投稿: YJR | 2007年3月28日 (水) 17時05分

■YJR様
書き込みありがとうございます。
PART2は、あれはあれで別の魅力があるとは思いますが、
前編・後編と捉えると、いささか無理があると思います。

>だから、何度見ても楽しめるのだと思います。展開は
>同じでも、年齢やその時の自分の状況でラストシーンの
>受け取り方が微妙に違ってくるかもしれない。

そうなんです。まったくもって、その通りなんです。
実は私、30歳過ぎた頃に無印の『メガゾーン23』を
見直したんです。そしたら、あのラストにボロ泣きで。
それは、十代の頃より、挫折を経験したからでしょうね。

あのラストを「途中で終わってる」と非難するのは、
なんとも無粋だなぁ、と思うんですよ。

投稿: 廣田恵介 | 2007年3月28日 (水) 18時36分

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