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2007年2月10日 (土)

■もう 帰ることない 宇宙の星よ■

本日、あるアニメスタジオで会議していたら、列席していた監督が「星山さんという脚本家の方が亡くなられてね、今からお通夜なんだよ」と仰り、「星山博之さんですか!」と反射的に叫んでしまった。
000001ちょうど今、星山氏が脚本を書かれた『メガゾーン23』のムック本が制作の佳境に入っているからで、もう何十回と見直しているにも関わらず、生々しいセリフには涙するし、「さすが星山脚本!」というキャプションをどこに入れるか迷っていたところだ。省吾と由唯の会話、「お前を抱きたい、嫌ならいいんだ」「もうちょっとロマンチックな表現できないの?」 このあたりに入れるつもりだ。

『メガゾーン』が好きでない人でも、80年代のロボットアニメ・ブームを陰から支え続けたのがこの人だ、と言えばピンと来るのでは。『ガンダム』『マクロス』はもちろん、『バイファム』や『レイズナー』、関わった作品は数知れない。富野監督の『∀の癒し』には、星山氏との打ち合わせの様子が事細かに記されている。僕が『∀ガンダム』を“認める気”になった第九話『コレン、ガンダムと叫ぶ』が、星山脚本だ。
元の『ガンダム』では、やはり第九話の『飛べ!ガンダム』が最も好きで、それで星山博之という名前を覚えた。カイが「電気屋でも開くか、え、アムロ?」なんて小憎らしい独り言をいう『女スパイ潜入!』、これも星山脚本。

000003 例によって、僕は「お悔やみ申し上げます」とも「ご冥福をお祈りします」とも書かない。星山氏の仕事に最大限のリスペクトを払いつつ、『メガゾーン』本を完成させるだけだ。それ以外に、“哀悼の意”を表す方法を、僕は知らない。
『メガゾーン』の脚本は、つい昨日書かれたかのように生き生きとしていて、夜中にDVDをキャプチャしながらボロボロ泣いていたほどだ。その夜、すでに星山さんは亡くなっていたらしい。それが、作品と作家と観客の関係だ。遺された者は、作品を大事にしていく以外、何も出来ないはずなのだ。

ついで、というわけではないが、今夜も26時30分から文化放送で『メガゾーン23・オン・レディオ』が放映される。僕が収録直前にうるさく言って、版元さんが粘ったおかげで、キャストは読み上げられるようになったし、PARTⅡやⅢとの関係も説明された。
意地悪を言うと、この番組にかかわっている人たちのうち、何人が星山博之の仕事を知っているのかな……などと思う。いや、知らなくてもいいんだ。いい作品さえつくれば、それで問題ないはずなんだ。ともあれ、エンターテイメントにちょっとでも関わる人間は、精進せねばならんのよ。
作家も作品も、過去形で語るな。最近、本気でそう思う。

※とは言ったものの、作業開始のために『メガゾーン』見始めたら、ひとつひとつのセリフにボロ泣き状態で困った。やはりシナリオには、作家の人生が宿るね。

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