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2007年2月28日 (水)

■PERFECT WORLD■

「新宿で飲みながら打ち合わせしよう」と言われれば、もう朝までキャバクラコースなわけです。
070227_11490001しかも、翌日はその店に勤めてる子と「ドラリオン」を観にいく約束してるってのに……これで遅刻したら、人間のクズ。
でもまあ、幸い遅刻はせず。
(↑会場で売ってたおにぎり弁当800円)
ドラリオンの感想はさておく。終わってから時間があったので、表参道でコーヒーを飲んでキディランドに行って……ああ、これは何かの埋め合わせだな、という虚無的な気分が高まってくるのは、何も彼女のつくり笑顔のせいではない。短い会話の中で見えた気がしたのだ。彼女が自分の人生に課したルールのようなものが。それは、哀しいほど完璧に計算されているように見えた。例えば、一日の間に笑う回数さえきっちり決めているかのような。
出たとこ勝負の僕の人生すらも、今日一日だけは彼女のルールの中に取り込まれていた。何のことはない、彼女はそうやって他者から自分の人生を守ってきたのだろう。
彼女とは、きっちり三回会った。四回目はない。

昨夜は、キャバに誘ってくれた人が先にタクシーで帰ってしまったので、もう一軒、一人で行った。中国人の女の子が隣に着いた。美人だった。
070227_04000001_1僕は、一年ぐらい前に仲良くしていた上海生まれの女に言ったのと全く同じ言葉を口にした。「旅費は俺が出す。俺を中国へ連れてってくれ」。上海女は、あと、一年したらね」と答えて、それきり縁は切れてしまった。で、一年たったから昨夜の子が現れたんじゃないか。僕はそう考えるようにしている。
夜の世界に、昼の世界の常識は通用しないのだ、と朝帰りのたびに思う。

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2007年2月24日 (土)

■永井真理子の本名が俺と同じ苗字なので、なんか嬉しかった■

ピンボケで申し訳ないけど、これが復元されたガンヘッド。Ca270121
昨夜のガンヘッドイベントは、『ガンヘッド』をネタにした川北紘一氏(特技監督)のイベントだったね……あの映画に特撮的な見せ場なんかひとつもないと思うんだが。『ガンヘッド』が「ロボットアニメ」に果たした役割というのは、来月発売のグレートメカニック24号のオヤヂ酒場を読んでいただくとして、俺は改めて、この映画の「フィルム」の部分が好きなのだと思い知った。セリフやカッティング。あと、こういう部分とかね。DVDのメイキングで原田眞人監督が「エイジングされた(使い込まれた)映像」と語っているけど、撮影もいい。
だから、本質的に「川北ナイト」「特撮ナイト」だった昨夜のイベントでは、強烈な疎外感に襲われた。はぐれものの映画の中で、さらに少数派のファン(笑)。

070224_19520001よく、どうして自分がアニメ好きなのか考えるんだけど、心の中に幼児性を残しているからだろうね。アニメって「絵解き」だと思うんだ。現実を限りなく抽象化したもの。特撮も、ミニチュアや合成で現実を加工したもの。アニメも特撮も、とりあえず「あるがままの生の現実」を歪めたところにその快感がある。アニメ・特撮マニアに外見がイタタな人が多いのも道理で、精神の生成過程で「現実と折り合いがつけられなかった」わけだよね。
だから、アニメ好きや特撮好きは「やめる/やめない」という問題ではない。もしそれらに「飽きた」としたら、潜在意識の部分で現実と何とか折り合いがつけられた証拠じゃないだろうか?

070224_19590001俺の場合、浪人時代に実写映画に出会ったのが大きかった。それで、一気にアニメから離れた。実写映画の方が表現として面白い、と気がついた。日芸の映画学科に入って、『ガンヘッド』が公開されたのは四年生の時だったかな。一度アニメから離れたからこそ、演出やセリフのテンポ感に注目できたんだろうね。
それでも、『ガンヘッド』が好きなのは「ロボット」というアニメなモチーフが出てくるからだし、もっと単純に「SF映画だから好き」とも言える。現実のお話じゃないから身近に感じる、という部分は確実にある。
(ただ、日本伝統の着ぐるみ特撮というのは生理的に苦手。ヒーロー物もダメ。その理由はいまだ自分でも発見できてない)
で、現実を忌避する自分の性癖を自覚しながら、やっぱり上手く現実と付き合っていかねばならないのよ、我々は。「アニメは実写ドラマより優れている」とか「特撮映画は一般映画より高尚」とか意固地に理論武装しちゃダメ。一度、自分の執着するものから距離を置いてみるのもいいと思う。

で、昨夜は歌舞伎町でしたからね。
070224_04210001 もちろんキャバクラ→アフターで焼肉コース。
俺には現実の結婚生活より、夜の女たちと一夜かぎりの仲良しごっこをする方が向いている。でも、それは三年間の結婚生活があったから言えることだよね。

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2007年2月23日 (金)

■七つの海さえも 狭すぎるステージ■

「フィギュア王」 109号 24日発売!
109
●河森正治の冒険 裏切りのVARIABLE RIDE 11th RIDE「合体がとまらない」
主にOVA『創星のアクエリオン 裏切りの翼』最新情報ですね。もちろん河森監督インタビューもあり! ひさびさの登板ですが、しかし以降は他のライターさんにお任せすることにしました。

●80年代の熱き風、『メガゾーン23』が2007年を疾走する!
わすが1ページ記事ですが、謎めいていたゲームやラジオの情報も載せました。ちゃんと「青いガーランド」のCGも載ってます。

●Toy's NEW ARRIVAL
●ピュグマリオンの小部屋

これらの連載も、信頼できるライターさんが見つかったので、次号より引継ぎ予定です。まあ、ちょうど二年間書かせてもらってきましたし、思うところあって、廣田の「フィギュア王」の連載はすべて今号で終わらせていただきます。
ラストの記事が『アクエリオン』と『メガゾーン』でラッキーでしたが、この二つの作品とは別の方向から関わることになりました。どちらかの仕事を両天秤にかけたわけではないし、運が9割、あとは1割の実績のおかげで、何とか道が開けた…というか。
ともあれ、「フィギュア王」を通じてお会いできた数え切れないほどの方々、皆さんにお礼を申し上げます。

不意に執着がなくなる瞬間があるんだよなぁ……「ぜんぶ捨てたら、自分に何が残るだろう?」 それを確かめてみたくなるというか。
40目前になって、今の自分のスキルを総動員して出来るのは「ここまで」と分かった。だとしたら、確実に衰えていくだろうスキルでズルズルと食いつなぐよりは、新しい何かを手に入れようとあがく方を、僕は選んでしまう。
070223_15580001それはともかく、『ガンヘッド』のDVDが届いた!
特典のサントラの一曲目は永井真理子の『TIME』なんだけど、こんないい曲だったっけ? 赤面せざるを得ないほどポジティブな歌詞なんすけど。
ようやく仕事も落ち着いてきたので、今夜はロフトプラスワンの『ガンヘッド』トークイベント行ってきます。

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2007年2月19日 (月)

■Wonderful days■

『奏光のストレイン』 waltz.Ⅰ 23日発売!
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●ブックレット構成・執筆
『地球少女アルジュナ』、『ノエイン』に続いて、アニメのDVDの仕事は三本目。 ストーリーで手堅く見せるアニメなので、作劇を中心に構成しました。キャラ紹介とかインタビューで逃げられないので、えらく大変な作業です。

さて、2月がこんな過密スケジュールになるとは思っていなかったのだけど、自分から言い出してしまったのだから仕方がない。
というわけで、須賀大観監督のイベント「復活のスガ」の司会進行をやってきた。50人も集まればいい、ぐらいに思っていたのに、場内満席。
1183945_1343740130_2(この写真はイベントを手伝ってくれた方からの提供)
あまりに忙しかったので、自分がやっているイベントなのに、何がどうなっているのか(ゲストの方たちやお客さんが退屈してないかどうかさえ)、よく分からなかった。
でも、丸一日経過して、写真を見せてもらってから、ジワリときた。
この一年で、一番いい夜だったのだ。この夜は、すべてが肯定された夜だった。あらゆるものが赦され、祝福された夜だった。
それまでの自分の喜びには、自惚れ、自己満足、自己過大評価、優越感、自尊心……などが必ず関与していた。しかし、この夜だけは違っていた。「他」がすべてだった。僕自身が「他」の一部だった。そのことに、後から気がついた。

070218_04180001_1 070218_05440001_1 まあ、その後は例によってキャバをハシゴ 。
でも、一人じゃなくてイベントのゲストを二人連れて行ったからね。たいした進歩だよね(進歩なのか?)。

070218_15100001 あと、イベントに来てくれた子からチョコレートもらったんだ。

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2007年2月14日 (水)

■ダイナマイトとクールガイ■

EX大衆 3月号 明日発売!
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●「アイドルのキス顔チュ!」連載第六回  福永ちな
僕は橋のうえで呆然と立ち尽くした。カバンから、職場の子がくれた義理チョコがこぼれ落ちた。赤、青、黄の銀紙に包まれた魔法のお菓子。だが、魔法はもう解けてしまった。彼女は、呆れ果てて帰ってしまったのだろう。閉店時間と同時に、シンデレラのように。(抜粋)

世間はバレンタインデーかも知れないが、僕にとって2月14日は離婚記念日(脱獄記念日ともいう)。
一年前のこの夜、キャバクラでチョコをもらった僕は一人でカラオケに行き、朝までムーン・ライダーズの曲を歌いつづけた。
「こんな海に閉じ込めよう
男性と女性とを
ダイナマイト クールガイ僕たち
言われてた頃に
帰れない 忘れない お互い
愛を返す季節じゃない
愛を試す季節じゃない
愛を探す浜辺ではない」

B1友人から電話があって、「ようするにあんたは、衛星軌道まで行って地球の青いことを確かめて、また戻ってきたんだよね」と言われた。
とっさに、ユーリ・ガガーリンの言葉が浮かんだ。「地球は、青いヴェールをまとった花嫁のようだった。しかし、どこを見回しても神は見当たらなかった」
もちろん、結婚という体験の中に「神」を見つける人もいるんだろう。ただ、僕に関して言うと、結婚した日よりも離婚した日のほうが祝祭的であり、「神」に近づけた気分だった。ポケットに手を突っ込んで、「さて、どっちへ歩き出そうか」。そんな感じ。

自分が為したことの対価はキッチリもどってくるものであって、今は信じられないぐらいラッキーな仕事に恵まれている。どうやら、僕の「神」はこっちの道にいたらしい。

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2007年2月10日 (土)

■もう 帰ることない 宇宙の星よ■

本日、あるアニメスタジオで会議していたら、列席していた監督が「星山さんという脚本家の方が亡くなられてね、今からお通夜なんだよ」と仰り、「星山博之さんですか!」と反射的に叫んでしまった。
000001ちょうど今、星山氏が脚本を書かれた『メガゾーン23』のムック本が制作の佳境に入っているからで、もう何十回と見直しているにも関わらず、生々しいセリフには涙するし、「さすが星山脚本!」というキャプションをどこに入れるか迷っていたところだ。省吾と由唯の会話、「お前を抱きたい、嫌ならいいんだ」「もうちょっとロマンチックな表現できないの?」 このあたりに入れるつもりだ。

『メガゾーン』が好きでない人でも、80年代のロボットアニメ・ブームを陰から支え続けたのがこの人だ、と言えばピンと来るのでは。『ガンダム』『マクロス』はもちろん、『バイファム』や『レイズナー』、関わった作品は数知れない。富野監督の『∀の癒し』には、星山氏との打ち合わせの様子が事細かに記されている。僕が『∀ガンダム』を“認める気”になった第九話『コレン、ガンダムと叫ぶ』が、星山脚本だ。
元の『ガンダム』では、やはり第九話の『飛べ!ガンダム』が最も好きで、それで星山博之という名前を覚えた。カイが「電気屋でも開くか、え、アムロ?」なんて小憎らしい独り言をいう『女スパイ潜入!』、これも星山脚本。

000003 例によって、僕は「お悔やみ申し上げます」とも「ご冥福をお祈りします」とも書かない。星山氏の仕事に最大限のリスペクトを払いつつ、『メガゾーン』本を完成させるだけだ。それ以外に、“哀悼の意”を表す方法を、僕は知らない。
『メガゾーン』の脚本は、つい昨日書かれたかのように生き生きとしていて、夜中にDVDをキャプチャしながらボロボロ泣いていたほどだ。その夜、すでに星山さんは亡くなっていたらしい。それが、作品と作家と観客の関係だ。遺された者は、作品を大事にしていく以外、何も出来ないはずなのだ。

ついで、というわけではないが、今夜も26時30分から文化放送で『メガゾーン23・オン・レディオ』が放映される。僕が収録直前にうるさく言って、版元さんが粘ったおかげで、キャストは読み上げられるようになったし、PARTⅡやⅢとの関係も説明された。
意地悪を言うと、この番組にかかわっている人たちのうち、何人が星山博之の仕事を知っているのかな……などと思う。いや、知らなくてもいいんだ。いい作品さえつくれば、それで問題ないはずなんだ。ともあれ、エンターテイメントにちょっとでも関わる人間は、精進せねばならんのよ。
作家も作品も、過去形で語るな。最近、本気でそう思う。

※とは言ったものの、作業開始のために『メガゾーン』見始めたら、ひとつひとつのセリフにボロ泣き状態で困った。やはりシナリオには、作家の人生が宿るね。

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2007年2月 8日 (木)

■我が友なる敵■

「廣田さんのブログって、どうしてあんなに攻撃的なんですか?」とある人に言われた。先日の村上隆のくだりのことだろう。
うーん……オタクというのはコンプレックスなんだよね。それをコンプレックスの欠如した村上のごとき人間にとやかく言われたくない。「オタク文化を搾取しているから嫌い」という人が多いと思うけど、あんなヘタクソな作品、搾取のうちに入らないでしょ。だから、それは嫌う理由ではない。ナルミヤの一件を見れば分かるように、品性下劣だから嫌い。
もっとも、「嫌う」からには、相手の中に自分と同じ要素を見つけたから嫌えるわけで、僕と村上の共通点は間違いなくある。我が友なる敵、ってやつだ。

繰り返そう。オタクである、というのはコンプレックスだよ。顔がブサイクとか、対人恐怖とか、服のセンスがないとか、女にモテないとか、女性恐怖とか、高齢童貞とか、欲しくもないオプションがオタクにはごまんと付随してくる。それらの劣等意識とどう格闘するかが、その人間の価値を決めるんだ。
070207_00550001で、先日は「接待で」歌舞伎町のキャバに朝までいたわけですが……接待だからな、接待。翌日、ちゃんと仕事してから取材に出かけましたよ。
俺についた女の子に、「メガゾーン23って知ってる?」と聞いたら、「ああ、エルガイムが流行っていたころのアニメですね」と即答された。
その子には悪いけど、俺はそういう状況は嬉しくはないんだよね。似たような価値観の人と仲良くなっても、予想を超える変化はないと思う。人生がバージョンアップしない。だから、「僕はオタクなので、同じオタクの彼女が欲しい」という考え方には反対。それは「人間関係の手抜き」だと思う。
だから、分かりやすい楽なところへ「直行」すんな、ちょっとは悪あがきしてみろってことだよ。
同じ理由により、彼女もいないような(つくろうと努力すらしなかった)童貞くんがキャバクラに通うのもどうかと思うなぁ……コンプレックスは、たぶん一生埋まらない。コンプレックスを忘れられるに足る「武器」を手にいれればいいんだ。
「武器」を手に入れる方法は、それこそ人それぞれでしょうなぁ。

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2007年2月 6日 (火)

■ひとつ、手放す■

「海洋堂マニアックス」が面白い。あまりに面白いので、布団の中でも電車の中でも路上でも読んでしまう。
070205_14090001これだけの仕事を一人でやった人間がいるのだ、と思うと、たかが数ページの原稿に躊躇している自分が矮小に思え、滞っていた仕事を半日で終わらせることが出来た。いい本は人を動かす。
もちろん、内容的にはヴェネチアの恥ずかしいアレとか、村上隆とか、ロクでもないネタが多いのだが、みんなが避けて通るところへわざわざ取材に行く姿勢がいい。その姿勢というのは、俺にとっては嫌がらせにも近いが、「じゃあ、お前も同じぐらいの質量の仕事してみ?」と紙面からあさの氏が挑んでくる(ような気になる)。

それでもちょっと言いたいのは、Chapter03の村上隆インタビューの最終ページ。村上本人がインタビュアーのあさの氏のことを語っているんだが、「ぜひ、どこかの大学のヘッドクォーターの方! あさのまさひこをおたく学の教授に迎え入れてくれませんか?」 これが書かれたのがインタビューの行われた04年7月だとしても、まだ「おたく学」とか言ってんの? 俺はこの人の作品がどうとか言うより、権威に弱い上に、自分の頭の悪さを許してもらおうとする怠惰さ・愚鈍さが嫌なんだ。とは言っても、作品が世に出るからには必ず理由があって、ドス黒い下卑たニーズによって、この人の作品は世に垂れ流されてるんだろうと思う。
あんなやつに何か言われなくても、アートは勝手に生まれていく。動画革命東京とか、ショックでしょう、素直に。

「ひとつ得るためには、ひとつ手放さなくてはならない」という信念を俺は持っているので、長くやらせてもらってきたレギュラーの仕事をひとつ降りることにした。
070203_03580002で、担当者から「そういうことなら、今夜は飲みましょう」と提案され、彼は徒歩で家庭に帰ったが、俺は朝までキャバクラにいた。仕事断るぐらい忙しいのに、もう本気で死ねよ、と我ながら思った。
(でもひとつだけ言い訳すると、飲んでしまうと原稿なんか書けないんだし、締め切りさえ守れれば、それまで何をしようと俺の勝手ではないだろうか。なので、みんな怒らないで欲しい)
そして、「ひとつ手放す」ことを自分にしては珍しく順序だてて終わらせてみたら、予想だにしない、贅沢な仕事を「ひとつ得る」ことが出来た。
「手放す」勇気と、つめの垢ぐらいの才能さえあれば、世の中やっていけるんじゃないか。

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2007年2月 1日 (木)

■ただブログに載せたいためだけにフィギュアを買ってみた■

今朝、取材に出かける直前に、いくつか届いた。
Ca270112まず、『ハチクロ』のフィギュア。原作好きが嵩じて、そのグッズを買ったというのは珍しいことだ。しかも、『ハチクロ』は男性キャラクターのほうが圧倒的に好きで、この二人には「萌え」も「惚れ」も感じなかった。
こんな感じで、竹本や森田のフィギュアが出たら、それも買っちゃうかも。 完成度が異常に高い(PVC製なのに、陶磁器のような質感!)のも理由だけど、この漫画を好きだった、という記憶を形にしておきたいというか。はなはだ、陳腐でセンチメンタルな購入動機。

もう一個届いたのが、これ。
Ca270113まあ、これは毎度おなじみというか、一般の人の想像の範疇にある「萌えフィギュア」だよね。これは宣伝用の写真がちょっとポップで、ひょっとしたら海で撮ってるんじゃないかな? 「たかが萌えフィギュアの分際で、なぜかオシャレぶってる」というギャップが好きだな。エロ目当てのマニアから愛されなさそうで。
90年代のはじめ頃だったか、アダルトビデオのパッケージにやけにアートっぽい洒脱なものが増えた時期があって。それに近いものを感じるんだよ。「たかがエロだぜ? アートっぽく撮っても売り上げ変わんねーよ」みたいな。“あきらめ”があるんだ。このフィギュアもそう。「どうせ、脱がせるとか透けてるとかエロ重視のフィギュアは他にあるし、ここいうのもいいじゃん」みたいな。レコジャケっぽいというか。パッケージなんて、ただの透明な箱だし。
レコジャケといえば、「OTAKU×DESIGN」を読んでいてハッとしたけど、渋谷系って空元気だったね。センチメンタルだったと思う。誰もが「バブルが弾けた」と知ったかぶって口にしていた頃のあきらめ感は、嫌いじゃない。

あと、あさのまさひこ氏の『海洋堂マニアックス』も届いたんだ。雑誌に書きながら、これをつくっていたとしたら、化け物だね。ここまで圧倒的な仕事をしておきながら、「たかが、こんなもん」と肩をそびやかせるのが、あさの流。もう内容の好悪は別に、俺は素直に敬服しますけどね。世間には認められないかも知れない(笑)。

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