■PERFECT WORLD■
「新宿で飲みながら打ち合わせしよう」と言われれば、もう朝までキャバクラコースなわけです。しかも、翌日はその店に勤めてる子と「ドラリオン」を観にいく約束してるってのに……これで遅刻したら、人間のクズ。
でもまあ、幸い遅刻はせず。
(↑会場で売ってたおにぎり弁当800円)
ドラリオンの感想はさておく。終わってから時間があったので、表参道でコーヒーを飲んでキディランドに行って……ああ、これは何かの埋め合わせだな、という虚無的な気分が高まってくるのは、何も彼女のつくり笑顔のせいではない。短い会話の中で見えた気がしたのだ。彼女が自分の人生に課したルールのようなものが。それは、哀しいほど完璧に計算されているように見えた。例えば、一日の間に笑う回数さえきっちり決めているかのような。
出たとこ勝負の僕の人生すらも、今日一日だけは彼女のルールの中に取り込まれていた。何のことはない、彼女はそうやって他者から自分の人生を守ってきたのだろう。
彼女とは、きっちり三回会った。四回目はない。
昨夜は、キャバに誘ってくれた人が先にタクシーで帰ってしまったので、もう一軒、一人で行った。中国人の女の子が隣に着いた。美人だった。僕は、一年ぐらい前に仲良くしていた上海生まれの女に言ったのと全く同じ言葉を口にした。「旅費は俺が出す。俺を中国へ連れてってくれ」。上海女は、「あと、一年したらね」と答えて、それきり縁は切れてしまった。で、一年たったから昨夜の子が現れたんじゃないか。僕はそう考えるようにしている。
夜の世界に、昼の世界の常識は通用しないのだ、と朝帰りのたびに思う。
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