■企画って難しい■
高度4000メートルぐらいでは、まだ“地ベタ感”が離れてくれない。
スカイダイビングの一日体験に行って来た。取材とかでなく、自腹で。その成果は別の場所で披露するとして……滞空時間が短かったせいか、フリーフォール (ガンヲタにはお馴染みの自由落下)でも、足の裏に地面がついている感覚がとれない。
どうも今ひとつ、求めていた感覚と違った。
むしろ、重力と空気だけを使って4キロもの空間を移動した、という経験のほうが大事かも知れない。
これは活字になってないかも知れないけど、押井守監督が「ガンダム系のもので、唯一見てみたいと思う映像は、高さ20メートルのロボットのコックピットを開いたときの空気感」と言っていたのを思い出した。確かに、それはアニメでは創出できない感覚だ。
(←原稿の合間にガンプラつくると、なぜか能率が上がるんです)
昨夜も、知り合いから「やはり実写で完璧なリアルロボット映画をつくるべきでは……」と言われたけど、もう時期を逸したんじゃない?
企画って難しい。
GONZOの『マルドゥック・スクランブル』が製作中止になったけど、潰れる企画には潰れるだけの理由があるわけで。友達も参加していたから言いづらいけど、よくある話だよ。
数限りなく企画がついえてきたのを見てきたから言うけど、「通った企画だけがいい企画」。逆を言うと、世の中に出た企画というのは、条件が整ったから世に出られたわけだよね。人なり、金なり、環境なりが必要としたから作品として成立するんでしょ? 俺が「どんなクソな作品からでも学べる」と言っているのは、そういうこと。
だから、真っ先に作品の悪口から入る人って(実質はともかく)頭が悪く見えてしまう。知識がないからバカなんじゃなくて、向上心がないからバカなんだよ。
ところで、ダイブする前に飛行場でリチャード・バックの 『イリュージョン』を読んだのは正解だった。相変わらず胡散臭いんだけど、独特の浮遊感がある。
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コメント
「実写で完璧なリアルロボット映画」・・・う、胡散臭くなりそうなキーワードのオンパレードだ(苦笑)
僕は「HINOKIO]なんかまさしくそれに近いと思いますが、いかがでしょう?
投稿: gakky | 2006年12月26日 (火) 03時11分
■gakky様
まさに、『HINOKIO』の設定にリアリティを感じる時代が
「今」ですからね。
巨大ロボというのは、僕らの世代特有のフェティシズムであって、
一般の人がリアルに感じるかというと非常に疑問ですよね。
投稿: 廣田恵介 | 2006年12月26日 (火) 09時41分
オーラバトラーをリアルに感じる人もいれば
スコープドッグをリアルに感じない人もいる
わけで・・・リアルってキーワードは神通力
を失った気がします。
投稿: gakky | 2006年12月26日 (火) 13時49分
お久しぶりです!
イリュージョンはいいですねえ。
人に勧めたのですが、「宗教ものか?」とちょっとだけ読んで閉じられてしまいました。
作品の文句をよく言う僕ですが、なるほど、なにかしら世に出るだけの条件があるのですね。気をつけてみます。
投稿: レッド六 | 2006年12月26日 (火) 20時06分
■gakky様
その一方で、「リアル」という言葉の呪縛から
逃れられない人たちもいますよね。
某作にとめどもなく金をつぎ込む人とか……(笑)
■レッド六さま
はい。気をつけてみてください。
投稿: 廣田恵介 | 2006年12月26日 (火) 20時47分