■偶然は必然に勝る■
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●Toy's NEW ARRIVAL 執筆
『綿の国星』の陶磁器製フィギュアが良いです。
●ピュグマリオンの小部屋 構成・執筆
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閑話休題。手作りポップが目立つ渋谷アミューズCQN。ようやく『フラガール』を観てきた。こういう手作りポップが映画館にあるというのはいいな。人の匂いがする。
好きなパターンの話だ。『リンダ リンダ リンダ』、『がんばっていきまっしょい』、『プリティ・リーグ』系の女性主体の起死回生物語。
もうちょっと戦略的に「閉山間際の炭鉱町をフラダンスで蘇らせる」裏話をあの手この手で見せてくれるのかと思ったら、情緒主体だね。泣かせのポイントを用意しておいて、それを巧みに配置して見せていく感じ。見せ方がうまいから泣けるけど、奥深くはない。
炭鉱とフラダンスという異文化衝突の題材であるが、そこを情緒で切り抜ける。思い切ったね。
唯一、蒼井優の母親が、「女の職業の変遷」を実感する瞬間(ストーブを集めるシーン)には文化的な主張があった。俺らの世代が見なくてはいけないのは、そこでしょう。柔軟性のない者は、ただ次世代に駆逐されていくのみ。
でも、日本映画はダサいとか貧乏だとか誰も言わなくなったなぁ……と実感するよ。蒼井優は『鉄人28号』が良かったから注目しているんだけど、あの映画を「最悪」という人は、本当の最悪を知らないね。口汚く罵ってるのは、ほとんど原作原理主義者じゃないかと思うんだけど。だって、悪口の方向がやたらマニアックだもん。(←蒼井優は才媛を演じさせたらピカイチの女優)
最近のガンプラみたいに解像度を上げた鉄人の勇姿を夢想してた人もガックリきたろうね。俺も観るまでは同じ気持ちだったよ。でも、そんなことに囚われていると、指の間から砂がこぼれ落ちていくのに気がつかない。
(あの映画のロボット表現については、前岡和之さんが素晴らしい考察を書いている)
せめて、ニーズの方向が「自分以外のどこか」から来ていると想像ぐらいは出来るだろ。人間、長生きすると自分の知らないものより知っているものの方が多くなる。そうすると、「知っているもの」が絶対尺度になってしまうんだよ。自分の定規に合わないものに出会うと、まずケナしてしまう。それは貧しいよ。
欠けている作品、欠けている人間には、予想不可能な何かが入り込む余地がある。偶然は必然に勝るのだ。
そういう柔軟性は女のほうが上かもな、と『フラガール』を観て思ったよ。『嫌われ松子の一生』にも泣かされた。映画の中の女は、みんな素敵だな。
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コメント
廣田さま>
こんにちは!前岡です(するっと顔見知りのように)。
【以下、“実は”という言葉が多く出てくる文】
実は、随分と前から廣田さんのサイト内の“例のアレ”なコーナーを見ていて、おお!わかってる人っているんだなぁオイ!ジェローニモォー!!と(ほんとに叫んで)感動しておったんですわ。
そんでもって僕が“例のアレ”を作って駄ブログ上で公開した時に、真っ先に取り上げて賛辞を贈って下さったのが廣田さんであったことも実は知っていたのですよですよ。おお!この人はぜってぇー俺と同じとこで魂繋がってると勝手に思い込んでもおりました。
で、実はその“例のアレ”を廣田さんと直接お会いして(もちろん同時にダビドフのロング・tバナテラ缶にニンジンスティック詰めて)見せびらかして“忘れて帰ることもあるだろう、その時はそのまま“しばらく(50年くらい)”預かっておいて貰おう”などと思い(つまり僕は“私物”を忘れて帰っただけという素敵な思いつきにワクワクしながら)、実は、実は、実は!!!メールまで書いてたんですよこれが!!!!
で、“なんか送れなかった”。
そしてなぜかそれきりになった。
あー、やっぱ僕なんかがアクセスできるようなかたではないのだなぁと、その時なんとなくそう思ったんですよ。廣田さんのサイトにはBBSもあるのに…。
もう2年前の話です。
時の流れは速いもんです。
昨年8月に某監督からコンタクトがあり事務所まで行って来ました。で、例のアレがDVD化されることを知らされ感動に打ち震え、さらにはDVD化するにあたって協力も要請され男泣きしていたのですが、おおよそ大人の事情が優先したのでしょう、その後、ご連絡は待てど暮らせどありませんでした。
“例のアレナイト”も行きませんでした。
行ったところで原田が紡ぎだしたこの世界観、いや例のアレのまさに今も深くくゆらすことのできる(それこそダビドフのような)香りを、特撮パートのみからいったい何を嗅げばいいんじゃ??という思いもあり、が、行っていたら行っていたで少なくとも“同じ阻害感”つーか「俺、この島好きかもよ」と誰かさんのセリフよろしく、廣田さんと一緒にセブンイレブンという名のコンビが組めたかもかも。
さて、で、これ昨年暮れのエントリーではないですか。すいません、実はTBしていただいていたのに気付いたのって、奇しくも例のアレのDVD発売日にです。
さすがにこの機会を逃すと本当に廣田さんにアクセスすることなく終わってしまいそうに思えたので、ちょい書き込みに来た次第ってなんか基地外みたいな文ですんませーん。
これを機に何かご縁ができれば本当に嬉しく思いますと、図々しくものたまってみますが裏目に出たりして(ニガー笑)。
投稿: 前岡和之 | 2007年2月26日 (月) 16時05分
■前岡和之さま
どうも、廣田です(と旧知の間柄のように・笑)。
書き込みありがとうございます…っていうか、爆笑しつつも驚くやら同意するやら楽しく拝読しました。
知らない方のために、前岡さんのブログのURLを……
http://red.ap.teacup.com/b2pil/98.html
ああ、確かに2年まえですね!
>その後、ご連絡は待てど暮らせどありませんでした。
>“例のアレナイト”も行きませんでした。
あーっ、そうだったんですか……僕は行って後悔したクチですが。でも、どうしても“一撃”を食らわせたくて「ボンベイのセリフで聞き取れないところがあるんですが」と場違い承知で質問してきました。
答えが得られないのは分かっていても、僕はこのフィルムが「東宝特撮映画」として幕が引かれることだけは我慢できなかったんです。
(僕の横にいたmixiのガンヘッド・コミュの管理人さんは、ダビドフじゃないけど葉巻を吸ったりウイスキー頼んだり、彼なりに“抵抗”してましたけど)
それでもしかし……僕ら、明らかに少数派ですから(笑)
でも、確率なんてクソくらえでしょう? こうしてチームメイトと会えただけでも僕は嬉しいですよ。
例の私家版DVDの“粋さ”は僕が一番理解しているつもり……というへんな自信だけはあるのです。
これを機会に、一緒に何か出来ると嬉しいですね!
投稿: 廣田恵介 | 2007年2月26日 (月) 17時27分