■月の林に星の屑■
来年2月の須賀大観監督イベントのコメント撮影へ。出演者は、声優の大塚明夫さんです。ガトーであり、バトーであり、 ウィットニー・ハガス・マツモトです。どうして大塚さんが?と思う人は、黙って『ブリスター!』を見てください。大塚さんの演じたテラダの人物設定は、僕の知り合いがヒントになっている。出来上がった映画と、その時の体験が見事にリンクしているのには心底驚かされた。
コメントも長めに撮らせていただいたけど、その前後にかなり面白いお話をうかがった。俺、アニメファン、おっさん声優ファンで良かったよ。アニメ誌は、アイドル声優だけでなく、もっと中堅~ベテラン声優さんのインタビューも載せようぜ(ガンダム関係者ばかりじゃなくてさ)……亡くなってから「惜しい人を失いました」って弔辞は社交辞令以上のものではないでしょ。
実相寺昭雄監督の訃報も同様で、特に思いいれがなく、仕事上の恩義もないのにネットにお悔やみ書かなくてもいいよ。そのへんの感覚は、しゃあぽさんが書いてくれてるけど。俺にとっての実相寺監督は怪作『帝都物語』の監督であり、『悪徳の栄え』『屋根裏の散歩者』で無邪気にSM趣味を開陳する、例えば塚本晋也あたりと肩を並べる露悪、無頼の現役監督という印象だった。『姑獲鳥の夏』公開時にインタビューさせていただいたが、それ以前に中野の飲み屋で『シルバー假面』の構想を聞かせていただいた時のことが印象に残っている。「ああ、さすがは『帝都物語』の監督だ」と手に汗にぎったよ。
『屋根裏の散歩者』の上映館で売ってたパンフ代わりの「キネ旬」(いや「ガロ」だっけ)は、下手すりゃSM雑誌でさ。電車の中で開いてたら、隣のサラリーマンがチラチラ横目で見るのさ。でも、俺は不思議と誇らしい気分だった。映画と個人の関係って、そうやってつくられていくんだと思う。
ご本人が映画を撮ることは、もう出来ない。でも、俺は『シルバー假面』未見だから、まだ実相寺作品は現在進行形なんだ。すごく楽しみにしてる。作品がダメだったら、もちろん怒るさ(笑)。
| 固定リンク
| コメント (2)
| トラックバック (0)