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2006年11月30日 (木)

■月の林に星の屑■

来年2月の須賀大観監督イベントのコメント撮影へ。
Ca270071_1出演者は、声優の大塚明夫さんです。ガトーであり、バトーであり、 ウィットニー・ハガス・マツモトです。どうして大塚さんが?と思う人は、黙って『ブリスター!』を見てください。大塚さんの演じたテラダの人物設定は、僕の知り合いがヒントになっている。出来上がった映画と、その時の体験が見事にリンクしているのには心底驚かされた。
コメントも長めに撮らせていただいたけど、その前後にかなり面白いお話をうかがった。俺、アニメファン、おっさん声優ファンで良かったよ。アニメ誌は、アイドル声優だけでなく、もっと中堅~ベテラン声優さんのインタビューも載せようぜ(ガンダム関係者ばかりじゃなくてさ)……亡くなってから「惜しい人を失いました」って弔辞は社交辞令以上のものではないでしょ。

実相寺昭雄監督の訃報も同様で、特に思いいれがなく、仕事上の恩義もないのにネットにお悔やみ書かなくてもいいよ。そのへんの感覚は、しゃあぽさんが書いてくれてるけど。俺にとっての実相寺監督は怪作『帝都物語』の監督であり、『悪徳の栄え』『屋根裏の散歩者』で無邪気にSM趣味を開陳する、例えば塚本晋也あたりと肩を並べる露悪、無頼の現役監督という印象だった。『姑獲鳥の夏』公開時にインタビューさせていただいたが、それ以前に中野の飲み屋で『シルバー假面』の構想を聞かせていただいた時のことが印象に残っている。「ああ、さすがは『帝都物語』の監督だ」と手に汗にぎったよ。 
『屋根裏の散歩者』の上映館で売ってたパンフ代わりの「キネ旬」(いや「ガロ」だっけ)は、下手すりゃSM雑誌でさ。電車の中で開いてたら、隣のサラリーマンがチラチラ横目で見るのさ。でも、俺は不思議と誇らしい気分だった。映画と個人の関係って、そうやってつくられていくんだと思う。

ご本人が映画を撮ることは、もう出来ない。でも、俺は『シルバー假面』未見だから、まだ実相寺作品は現在進行形なんだ。すごく楽しみにしてる。作品がダメだったら、もちろん怒るさ(笑)。

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2006年11月28日 (火)

■幼年期の終わり■

明け方まで『殺人の追憶』を観ていたのに朝9時に目が覚めてしまったので、『パプリカ』観てきました。
061128_11320001気がついたんだけど、この手のアニメを観る客層ってアニメマニア/一般層の間に「美大系」の人たちがいるね。実際に美大に通ってなくても、専門学校だったり予備校だったり。服装見りゃ、分かります。
「アニメならではの表現」とか「奔放なイマジネーション」とか、何とでも誉められるんだけど、今監督のアニメはつつしみが深すぎて感情移入が難しい。パプリカはなかなか官能的なヒロインなんだけど、どうも今ひとつ下世話な方へ吹っ切れてくれない。オッサンキャラとパプリカが等価値なのよ。
ヴェンダースの『夢の果てまでも』って映画でも「夢の視覚化」が描かれていたけど、夢って視覚情報だけじゃないよね。匂い、雰囲気、感情、たまには思考だけの夢まである。 実写のほうが、そういう曖昧や混沌は描きやすいと思う。『パプリカ』では、あえて視覚情報に限定してメタモルフォーゼの面白さを追及したんだろうけどね。

あと、アニメって少年少女を主人公にした方が「いい」と思うんだ。「いい」っていうのは、「正しい」とはまたちょっと違う。アニメって子供の頃から目にしているものだから、せいぜい20歳ぐらいまでのキャラクターまでしか「受け付けない」と思う。セル画の質感が受け付けない、というのもあるし、観客が受け付けないということでもある。
アニメって、小学生までは当たり前に見ていても、中高校生になったら卒業するかハマるかのどっちかでしょう。その時、彼らの前にあるのは『イノセンス』みたいなオッサンしか出てこないアニメではなく、絶対に少年少女を主役にしたもののはず。アニメはそんな「幼年期の終わり」に最も意識される里程標じゃないかと思うんだ。
だから、小さい頃にアニメを見ていた50歳ぐらいの人までは、アニメに相対するとき、あの誇らしくも苦渋に満ちた「幼年期の終わり」に意識が立ち返るのじゃないかと思う。どんな大人な物話をやっても、どんなハイブロウな題材を選んでも、少年少女を主人公にしておけば、大概のことは「許せる」。これってアニメ特有の現象だと思う。
変身後のパプリカが少女っぽいのには、ちゃんと意味があるんだよ。

せっかく新宿まで来たので、ポールスミスでシャツを2本買い、やんばるでポーク玉子定食を食べたら、急いで帰宅。ムーンライダーズの実録映画は、かなり面白そう。

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2006年11月26日 (日)

■小休止■

書こうと思っていた原稿に「待った」がかかったので、遠出も出来ずに家で待機することになった。そこで始めてしまったのが、イリアのキットの組み立て作業。
061126_10550001鍋で煮てゆがみを直し、ドライヤーで暖めながら不用部分を切り取っていく。この作業がハマる。下半身にはオモリとして石膏流しちゃうし、Be-Jではソフビ専用カラー買ってきちゃうし、もう後には引けない状態。

その他、観そびれていた映画を何本かレンタルしてきた。何を観ても胸がつまり、涙が出そうになるのには困った。「ものをつくる」というのは凄いことだ、と改めて思い知った。ついでに『ゼーガペイン』も観てるんだが、先日の話で言うとアイコンがひとつしかないんだよ。それは何かというと、ドラマなんだ。絵がことごとくドラマに追従しているという、いたって健全な状態。
だからこそ、あっさりしすぎたキャラとかCGメカの不自由さがキツい。『コードギアス』の絵、あれはコッテリと主張が強いから、逆に無視がしやすいんだよ。「この絵を好きな人は別にいるんだろうな」と、他人を設定することで「逃がす」ことが出来るんだ。増水しそうなほどコッテリしてるから、水路を掘って逃がすわけ。
でも、『ゼーガペイン』はドラマだけで直球勝負してくるから、逃げられない。俺も放送中は途中で何話か観ただけで脱落しちゃったんだけど、一話から見ていくと実に手堅くつくってある。最初から観ないと、その良さが分からない。それは今や弱点なんだよ。
ほら、『ハルヒ』ってのはエピソードの順番を入れ替えて放映したでしょ? あれぐらい狡猾でないと(笑)。あと、最近のアニメって「セカンドシーズン」で逃げるじゃん。いやー狡猾だ。面白い。
でも、だからこそ愚直なまでにストレートな『ゼーガペイン』は放っておけないんだよね。

劇映画というのはトーキー以降、何十年も形式が変わっていないけど、テレビアニメは半年かそこらで形式が変わる。そこが他のメディアと違う面白さだね。

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2006年11月24日 (金)

■手に入れたものを次々と■

「アニカン」 Vol.29 配布中!
●『コードギアス 反逆のルルーシュ』 河口佳高プロデューサー インタビュー

Ani29「メインアニメーター」という役職の謎、メカデザイナーが3人いる理由など、割といい質問してると思います。

結局、『コードギアス』を楽しめるか否かは、矢継ぎ早に繰り出されるアイコンをキャッチできるかどうかにかかっている。自分と関係ないアイコンには目もくれない素早い“見切り”が出来ないといかんのじゃないだろうか。ある時期から(セーラームーンやエヴァの頃かな)、ストーリーを追わずにキャラばかり愛好するアニメファンが出てきたけど、それは「キャラ」というアイコンだけを自力でマークできたってことでしょ。俺は当時、それが出来なかったから、「なんでキャラしか見ない!?」と腹を立てていた。
ちょっと前まで、アイコンは1~2個でよかったんだ。『コードギアス』には6~7個ぐらいアイコンがあるように思う。検索ワードがたくさんブラさげてあって、無視できないというか。
しっかり連続して見させるテクニックも、実はアイコンのひとつなのかも知れない(というのは、「ストーリーを追わない」というのも楽しみ方のひとつであり、スキルであると思うから)。

さて、ヤフオクでプラモデルからメタルキットまで、実験的につくられたマイナーフィギュアを収集してきたけど、ついに「本気で欲しい」アイテムに当たってしまった。
061124_11050001ファルシオンが発売していた『ゼイラム』のイリアのソフビキット。原型は竹谷隆之氏。これはちゃんと組み立てないと。塗らないと。
このキットを欲しがると、「森山祐子のファン?」とか「雨宮慶太が好きなの?」とか聞かれるが、別に『ゼイラム』が好きなわけでもないし……この寺田克也氏デザインのシーボーズみたいなコスチュームは非常に好きだ。しかし、実際の映像ではペラペラの安っぽい出来で(その質感が逆に良かったりもするが)、 やはり竹谷氏の生物的アレンジが効いているんだろうと思う。ということは、実物よりこのキットが好きなのか?
あるモデラー氏にこの話をしたら、「ボトムズの映像より、タカラの1/24スコープドッグのプラキットに惚れこむようなもの」と理解を示してくれた。でも、ダース単位で1/24スコープドッグを所有していたそのモデラー氏は仕事でその在庫を作り倒してしまい、もはや物質的にも、精神的な憧れという意味でも「なくなってしまった」という。征服しつくしてしまったのだね。
今月号の『CUT』で押井守が「人生の後半では、手に入れたものを次々と失って、そして自分の肉体を実感していく」というような事を語っていたのを思い出した。

ところで、須賀大観監督のイベントは公式ブログをつくりました。イベントタイトルも「復活のスガ」に決定!

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2006年11月22日 (水)

■僕らは、もっとしたたかだ■

フィギュア王 No.106 24日発売!
106
●ピュグマリオンの小部屋 構成・文
毎号、細々と続けているドール情報ページ。
最近、奇妙なドールが出てくる夢を見て、やっと人形を「買う」のではなく「迎える」という気持ちが分かったような気がする……ので、厳粛な心構えで続けていきたい連載。

●Toy's NEW ARRIVAL 文
新製品情報ページ(ラスト1ページを除く)。 やまとさんのガーランド、自治軍カラーの方はサイトでも発表されてるけど、実はもう一種類「メガゾーン23 コンプリートボックス」というのが出る。俺もちょっと関わっている製品だけど、これぞ決定版だよ。さり気なく驚愕情報が出ているので、P83をお見逃しなく!
(なんでわざわざ書いたかというと、右ページの広告が目立ちすぎて、読み飛ばされる可能性があるため)

さて、来年2/17の須賀大観監督のイベント情報が散漫になりすぎていたので、専用ブログをつくっちゃいましたよ! イベントタイトルも『復活のスガ ~『スピードマスター』&『ROBO☆ROCK』への道~』に決定。
「なんで、そんなイベントやるの? 映画会社から金でももらってるの?」と勘ぐられるけど、金銭的には一円ももうからないですよ(出演者の皆さんも、本人およびプロダクションの好意だけでノー・ギャランティ、ノー・スポンサー)。
このイベントを開催する理由は、とても一言ではいえない。須賀監督への友情だけではないような気がする。僕らは、もっとしたたかだ。
――これぐらいの歳になると、眠った人間は眠ったまま。いちいち彼らを起こしてはられないから、まだ起きてる連中同士で楽しむ、って感じかな。

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2006年11月19日 (日)

■映像は所有できない■

そろそろ、『須賀大観復活記念謝恩祭』用のコメント撮影も終わりかなあ……と思いはじめた矢先、なんと須賀監督のもとに田中圭さんからのビデオコメントが到着!
田中圭さんといえば、『恋文日和』の一編『雪に咲く花』の! ということは、今回のイベントでは過去の作品についても語られる、と思ってください。年末ぐらいに、一度きっちり情報まとめないとね……

さて、ひさびさにアニメのことでも書きますか。
061118_23580001ダウンロード販売で買った『夏の記憶』という自主制作アニメ。 こういうものは、アタリかハズレかなんてケチなことは考えずに、とにかく買う。観たいときに買う。
で、中身は映像データ(画面はすごくちっちゃい)のほかに、pdfファイルでメイキングブックが付いている。どちらかというと、そのメイキングの方がメインではないか……というか、メイキング込みでひとつの作品、といえそうだ。しかも、高画質・大画面で観たかったらCD-ROM版を格安で買えるので、そっちを買って欲しいと最終ページに書いてある。つまり、ダウンロード版は安くて早い分、画質は低い(ので、本意ではないと制作者が認めてしまっている)。まあ、体験版みたいなもんだろうか。有料だけど。
20年前、中身も分からずに1万円以上払って買ったOVAが映画館で上映される悔しさは、これに近いものがあったのかも知れない。

僕は意地でも『夏の記憶』のCD-ROM版は買わないけど、気に入った映像はいつでも見られる状況にはしておきたい方だ。GLAYの『サバイバル』 なんかも、つい最近になって古本屋で買ったし。
061119_04550001でも、映像というのは機械がないと再生できないから、本を所有するのと映像ソフトを所有するのとは違う。「映像は所有できない」。意外と、みんな本能的にそこに気がついているんじゃないか……だから、高額なアニメのDVDにはフィギュアが付いたり、絵コンテが付いたり、「所有できるもの」でマニアを納得させる必要があるんじゃないだろうか。
だって、ガンダムのDVDですら1,500円相当のオモチャが付くんだよ? それって「所有感」を強化するツールでしょう?
僕がうっかり買ってしまった『夏の記憶』は、いつでも削除できる状態でPCの中に「ある」。それはやっぱり、「持っている」こととは違う。PCという機械に、『夏の記憶』が憑依したような感触。だから、やっぱり映像、映画というのは彼岸のメディアという気がするね。来年、『ガンヘッド』がDVDになるけど、それは『ガンヘッド』がお墓に入るってことでもあるんだ。僕らが手に出来るのは「ガンヘッドのDVD」であって、『ガンヘッド』という作品そのものじゃない。

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2006年11月17日 (金)

■ヒリヒリするような生っぽい感覚■

来年2月17日に開催の「須賀大観復活記念謝恩祭at新宿ロフトプラスワン」のため、恵比寿へ。イベント用ビデオコメント撮影は、まだ続いているのです。
061117_17560001←恵比寿駅・西口改札前で待機する撮影チームのリーダー、須賀大観(その正体は映画監督)。背後のサラリーマンの方たちとのテンションの差が激しい。

さて、ビデオに出演してくれたのは、『ROBO☆ROCK』(旧題『ロング・アームド・モンキーズ』)主演の塩谷瞬さん!
ファンの皆さん、お待たせしました!……もちろん、イベントに来られた方だけが見られるわけですが。
これで、ビデオコメント出演は中村俊介さん、北乃きいさん、中山祐一朗さん、本日の塩谷瞬さんで4人ですね。『スピードマスター』と『ROBO☆ROCK』のバランスを考えると、かなりいい感じになってきました。

なお、「須賀大観復活記念謝恩祭」に関しては、mixiの須賀大観コミュでも詳細をUP中。
http://mixi.jp/view_community.pl?id=1420448
事実上、須賀大観監督の公式ファンサイトですね。入会をお待ちしてます。

今回のイベントは2本の映画をキーにしてはいるけど、映画って撮影機と映写機が介在しているだけで、人間が生身でやることなんだよね。テクニックやコンセプト以前の、ヒリヒリするような生っぽい感覚が、映画をつくっていく段階には存在するはず。それトークショウという形で僕は確かめたい。それと、公開前の映画をキーにするイベントは、「映画の観客以前」のグレーゾーンに位置する人たちが集まるってことでしょう。
何というか、イベントをやる方も来る方も「無防備」。人生の中の2時間かそこらを使って、残りの人生に役立つことをしようよ。そんな感じです。映画のイベントではあるけど、人生のイベントでもあるんだよ。
続報をマテ!

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2006年11月14日 (火)

■暗中模索していきたいと■

「EX大衆」 12月号 明日発売!
Ex_12
●萌える! 美少女フィギュア!! 構成・執筆
なんと、カラー見開きで美少女フィギュア全13製品の見どころを一挙紹介、中国工場の潜入レポートや原型師・智恵理さんのインタビューもあり、という専門誌顔負けの企画。というか、こういうマニアなものを専門誌にいくら書いたって意味ないよ。普通、この手の雑誌のカラーページは、グラビア最優先ですよ。それを合成樹脂の人形たちが(たった2ページとはいえ)占拠したんだ。
グラビア目当ての読者には、不意打ちだと思う。こういう形で開放していかないと、しょせんは理解も認知もされないよ。こっちが門戸を開いてないのに「世間は分かってくれない」はないだろう。だから俺は、どこの誰が目にするか分からない大衆誌やフリーペーパーにオタク趣味に安住しているネタを書くのが好き。
騙されたと思って読んで欲しいね、このフィギュア特集は。

●アイドルのキス顔チュ! 磯山さやか
●あいだゆあ グラビア(ライター人生初の袋とじ)

それぞれ、ポエム執筆。自己表現とかじゃなくて、飽くまでグラビアの添え物というポジションがいいんだ。まあ、編集サイドから見れば、まだまだ俺なんかは我が抜けてないんだろうけど……やはり僕は、分かりきったことを書くよりは、暗中模索していきたいと。その方が人生面白いとは思いませんか、皆さん!(サンボマスター風に)

昨日は、こんな場所へ取材へ行きましたよ。
061113_15150001アニメ会社以外、何もないような場所ですね、この界隈は。上井草も地価上がったとか。

ここんとこ、ずっとイベントのことを書いてるけど、「どうして東京ばかりなんだ」という嘆き節には、いい加減うんざりする(って、今回のイベントでは誰もまだ、そんなこと言ってないけど)。『アクエリオン』の新年会のときなんて、北海道から来た人がいたんだ。東京に行くような時間も金もない、というなら儲かる仕事についてくださいよ、世の中は不平等なんだから。
「環境に恵まれてない地方在住の人間のことをどう考えているんだ?」と言われたことがあったけど、そういう人は「頑張って、東京まで来てください」。
見たいもの、会いたい人が近くにいないということは、旅立てというメッセージだよ。

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2006年11月12日 (日)

■その予感は隠さなくたっていいんだ■

下北沢は本多劇場、阿佐ヶ谷スパイダース『イヌの日』の公演会場にお邪魔してきましたですよ。先日予告したとおり、07年公開『ROBO☆ROCK』のキーパーソン“ニラサワ”を演じる中山祐一朗さんのコメント撮影のため!
Ca270067←中山祐一朗さんと須賀大観監督。中山さんはマチネの直後だったのに、大変お疲れ様でした。あと、『ROBO☆ROCK』だけじゃなくて、『スピードマスター』の竜之介も中山さんなんですよね。

こうした関係者のご好意と須賀監督とイベント主催の俺二人、ファントム無頼な撮影チームの地道な活躍で(最初は本多劇場と間違えてスズナリに監督を案内してしまった俺は下北在住歴7ヶ月)、来年2月17日の「須賀大観復活謝恩祭at新宿ロフトプラスワン」の準備はステルス的に進行中なのです。

詳細情報は、mixiの「須賀大観」コミュニティにも随時UPしていくので、mixi会員の方は自由に入会してください。なんか特典あるかも(ないかも?)。
http://mixi.jp/view_community.pl?id=1420448
mixi会員でない方は、ご一報くだされば招待します。メアドだけ教えてくだされば、本名その他は追及しません(笑)

さて、中村俊介さんや北乃きいさんのお名前で検索して来られた皆さんは、「なんだ、このキモいオタクなブログは!」は驚かれていることかと思います。
061111_22090001_1 (←取材のお土産でもらったガンプラも楽しかったが、やっぱり日本の萌えフィギュアはすげぇ。このフォルムと色彩の調和……。やはり、合成樹脂の塊が美を感じさせる、ということの意味は問いたださなくてはならない。視覚で快楽を感じるアプリケーションが、人間の脳内に何種類かあるのだと思う。荘厳な風景を見て起動するアプリと、このようなフィギュア製品を見て起動するアプリが全く別のものだとは、僕には思えない)

ただ、「人間の生きる目的は常に革命され、常に刷新されていく」と思っている僕にとって、イベントもアニメもフィギュアも、あるいは仕事でさえも等しく感動に至る道なのです。行きつ戻りつする道程を気ままに記録しているだけなので、多少キモいと思っても許してやってくださいよ、と。

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2006年11月10日 (金)

■さんじゅうごぶんのいち■

や・やべえ! 当初あれだけ「ガンダムでやる理由が分からん!」と疑問符を叩きつけつづけたUCハードグラフが俺の部屋にあるよ! スターゲイザーもあるよ!
Ca270060まあ、これは静岡の某ホビーセンターへの二回目の取材で、お土産でいただいたものなんだけど、最初からこの「ザク頭セット」だけは編集にも渡さなかったからね。「これは俺がもらう」って。
最近のいくつかの取材で得た確証は、来月発売の某誌別冊のガンプラ記事を読んでいただくとして、私的感想だけ言うと、1980年時点でこれがあったら、俺は失禁するぐらい興奮してたよ。イタレリのシャーマンをウェザリングしまくってた中学生だったから、「ガンダムの模型って、ミリタリーモデルだよね?」と本気で思っていた。「ダンバインの模型なら、当然フラゼッタ調のディスプレイモデルだよね? 油絵の具で塗りたいな」とか。いわゆる“キャラプラ”(という差別語が70年代頃にあった)であっていいはずがない!と本気で思ってた。
でも、「ミリタリーであるべき」「フラゼッタであるべき」というハイブロウな嗜好は、僕より年上の人たちの脳内にも当然ありつづけ、「ザク頭セット」はいわば、キャラプラで我慢をつづけ、ついにはキャラプラで成功したメーカーサイドの勝者の余裕なんだ。25年遅れの勝利宣言ですよ。ただ……もっと早く出してくれれば、俺は波に乗れたのになぁ……そして、途中で何があろうとも「ガンダムはミリタリー!」と信じつづける“愛の持久力”は、大いに見習うべきだと思ったですよ。
「決定権のあるオトナ」というものを想定した途端に、僕ら「決定権のないオトナ」は無力感を感じるわけだけど、愛と理想があって、さらに決定権のあるオトナには素直にリスペクトする。

★須賀大観復活謝恩祭(仮)情報
来年2月17日に行われる『スピードマスター』、『ROBO☆ROCK』の監督・須賀大観のトークショウ。『スピマス』の二人に続いて、いよいよ『ROBO☆ROCK』出演者のコメント撮影を開始!
mixiの「須賀大観」コミュニティでも詳細を掲載中なので、入ってね。
http://mixi.jp/view_community.pl?id=1420448
mixiが見られない人は、俺が招待しますので連絡ください(←本気)。

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2006年11月 7日 (火)

■復活謝恩祭■

2月17日のイベント「須賀大観復活謝恩祭」の素材撮影のため、新橋の代理店へ。
061107_15120001
撮影前、こんなことを口にする須賀監督。
「たとえ同じ空を飛んでいても、あんたは一人乗り戦闘機。俺はジャンボジェットに乗せてもらっているんだ……」
いや、俺の場合、戦闘機というより紙ヒコーキだと思うぞ……

本日のコメント撮影は『スピードマスター』主演の中村俊介さん。コメント内容が独創的で、監督の笑い声が入りすぎ。普通はNGだが、ゆるいイベントなので、このまま流す!

●イベント日時は2007年2月17日、午後18:30会場、19:30開演。
入場料は1,000円で、飲食代は別です。

http://www.loft-prj.co.jp/PLUSONE/
ゲストは須賀大観監督、鮎貝健さん、グンさん、デニス・ガンさん。
ビデオコメントは、北乃きいさん、中村俊介さん。まだ増えるかも。
ゴンゾ・レボリューションの『ROBO☆ROCK』の情報はどこまで出るんだろう?

関連記事
http://mega80s.txt-nifty.com/meganikki/2006/10/post_d9bd.html

※イベント情報目当てに来る方も増えたし、仕事もあるので今日はオタク的な無駄話はナシ。

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2006年11月 6日 (月)

■思考をショートカット■

また誤解を招いてしまったようだが、先日は「ファンの外に届くぐらいポピュラリティのあるカッコいいアニメ映像」について好みを語ったつもりだった。それを知ってか知らずか、映像業界の友人から勧められたのがコレ。
061106_12200001『ネギま!?』のOP。これはヤバイでしょ。 こんなハイセンスなケータイのCMみたいな映像が夕方5時半からやってる(テレ東の場合)。「色」が売りであるはずの萌え系アニメなのに、(いやだからこそ!)「色」を抜いている。全編モノクロ。31人の美少女を「番号」で処理してしまう手加減のないクールさ。番号の書かれた紙で少女たちの顔が隠れてしまうカットなんて、番組内容を否定しかねない倒錯ぶり。しびれる!
アニメが文学的・映画的である必要なんか、どこにもないからね。映像は劇映画の文法から語られ(あるいは、せいぜいストーリーマンガ)、物語は文学性を重んじられ、脚本を軸に語られる。語ろうとするとたちまち既存の近似メディアによって区分けされかねないのがアニメだ。語れば最後、映像に触れたときのレアな感触が失われる、今こうして書いている瞬間にも! だから、もう語る必要なんかないんじゃないか?とさえ思う。

一番振り切った映像は玉石混交の萌え系から来た。今更ながら、『涼宮ハルヒの憂鬱』の第一話もそうですよ。全編、自主映画という設定のアレ。
061106_12250001これは、実際に8ミリフィルムを回した人なら、笑い死ぬよ。こんな凝り方が許されるのも、ラノベ原作の萌え系だからだろうね。間違ってもアートじゃないから。人物の動き、それも素人俳優の不自然な動きにカメラが追いつかない。その自然発生的なアクシデントを「はじめに意図ありき」のアニメ演出で再現しようという「遊び」。実写で言うなら擬似ドキュメンタリーみたいなもんだよ。カメラワークに迷ったら空にティルトアップ (アニメ業界ではパンアップ)するとか、カメラマンの癖まで再現してるんだから、もう脱帽。 自主映画経験者、というニッチな層へ爆発的にアピールするわけ。だから何だ、と言われても説明つかないよね。こういうものを観ると、アニメは先鋭的なメディアだと痛感する。

「今のオタクって踊ったりするんでしょ? アニメの曲に合わせて」と、またキャバクラ話で恐縮だけど、そんな話はキャバ嬢ですら知っている。もう、目の前に映像がなくても自分たちで“場”をつくってしまう。しかも、語るんじゃなくて踊る。思考をショートカット。『ハレ晴レユカイ』で踊る踊る。そういう動物的・本能的に「遊ぶ」行為は、長いこと「語る」オタクよりも低位に置かれていた気がする。それが今や逆転したんじゃないだろうか?
お金を払ってでも、メイド喫茶でメイドとゲームをする。「そんな金と時間があったら、本の一冊も読め」とは俺は言わない。「語る」ことは時とともに熟成するのかも知れないが、「遊ぶ」ことに関して時間は待ってくれないのだ。

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2006年11月 3日 (金)

■ホントは文系のくせに!■

月刊シネコンウォーカー11月号 配布中!
200611_2
●Movie Express  『鉄コン筋クリート』 執筆
俺にとっては、『ブレードランナー』系のショックだったこの映画。「ほ~ら、キミの大好きな“新鮮なビジュアル”だよ~」と脳ミソに何か注入される感じ。スタジオ4℃お得意の高純度サイケデリックスに蒼井優(シロ役)の萌え成分が調合されて、クライマックスのバッドトリップは夢に出てきそうな勢いだし、言うことないね。もう、こっちはマジックマッシュルーム食ったサル状態。
ほら、スタジオ4℃って不良ぶってるじゃん? ホントは文系のくせに……って飽くまでイメージだけど、どんな過激な表現でも根拠がなければやらない誠実さがある。
どうも、小池健まで行くと「別に意味ねーけど、いいじゃん、これで」「ここは2コマでやっちまおうよ、そーいうもんなんだよ」っていう肉体的なカッコよさ、本物の不良って気がする。つまり、そのガチなカッコよさに文系の僕はビビってしまうのですよ。『サムライチャンプルー』のOPなんか、実に素晴らしいんだけど。
4℃って、どこか照れちゃうんだよね。アニメもTシャツにすればお洒落だろう、という(笑)。そのいかにも吉祥寺な庶民っぽさも含めて、アイラブユーですよ。Amazing Nutst!も楽しみ。
「シネコンウォーカー」は全国のユナイテッド・シネマ、シネプレックス、シネマサンシャインにて40万部配布中。読んでね。

アニメに限らず、『デトロイト・メタル・シティ』におけるカヒミ・カリィの扱いのように「これを聴いている俺が好き」、つまり人前で言いにくいものほど「好きの本質」に迫っているはずなので、照れや恥じらいこそ大事にしていかなくてはならないのだね。

約20年前のガレージキットやプラキットのフィギュアをこつこつとヤフオクで集めている。
061103_10350001やっぱり、俺はフィギュアに博物学的な興味がある。なぜ美少女フィギュアなのか、と問われれば、その歴史が美の追求だから。なぜ、みんな言わないのだ。美しいからフィギュアを買うのだ、と。皆が言わねば、俺が言う。

気がつけば、HPを閉鎖してブログに移行してから丸一年。アクエリオンの超合金もって、河森正治さんと浅間山へ行って、その日からズドン! あらゆる感情が過去形になってしまった。古い感情は、手綱をつけていかようにも操れる。心は、常に新しい水を求める。それまでの俺は、せき止められた河だった。古代の魚が干上がった土地を歩くために足を獲得したように、乾いたら歩けばいい。待っていて得たものよりも、捨てて得たものの方が尊い。

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2006年11月 1日 (水)

■“萌え”と“惚れ”■

「先日、『萌えの研究』という書籍を読んだところだな、メイドキャバというのはアニメやゲームの濃い知識がないと入店できないらしいぞ」
「あ、私、今のアニメ知らないからなぁ……」

061031_23320001場所は深夜のキャバクラ。相手はハロウィン・デーのため、「前から着てみたかった」というメイド服に身をかためた雨女さんである。『萌えの研究』で、苦悶の悲鳴を上げながらもPCゲーム、ラノベと渡り歩いた大泉実成さんには好感を抱いている。この本ではスルーされていたフィギュアを、最近になって認めているのもナイス。(しかし、これで吉祥寺のキャバに詳しい人には、俺がどの店に通っているかバレバレだな)
さて、数時間過ごしてみて、どうも俺はメイドには萌えないというか拒絶反応すらあることが分かってきた。だって、それじゃ『ヴァリアブル・ジオ』みたいじゃん。さっき、旅人食堂でメシ食べてるときの下着みたいなワンピの方が断然よかったぞ。
「あと、キミ、立ち振る舞いがテレビに出ているときの中川翔子に似てる。飽くまでも立ち振る舞いが、だが」と指摘したのだが、それはようするに言動がオタクっぽいかも知れないぞ、気をつけろという意味だ。「それがAガールなんだよ」と開き直る雨女さんの態度に苛立った。「だって、キミ、ボーイズラブとか読まないだろ?」「ああ、あれはちょっとねー」 ホッと一安心。どうも俺は、この人をオタクという落としどころに導きたくないらしい。

「そのシャツ、お洒落ですね」
雨女さんに指名がつき、ヘルプで横に座ったのはショートヘアの婦警さんだった。王子バーで眼力が鍛えられたのか、男装が似合いそうな女性にはピンとくるものがある。
「でね、宝塚にも興味が出てきた今日この頃なんだ」
「ああ、宝塚は服飾学校に行ってるとき、修学旅行で観てきました」

この子は、話もなかなか面白かった。客の誉め方もうまい。しきりに俺を「紳士的」「落ち着いている」と誉めるので、「じゃあ、他の客はどうなの?」と聞いてみたところ、「たいていの人はオドオドしてますね」 あ、なるほど。基本的に、キャバに通うのはモテない男だからな。
Ca270024 向いの席の客が、チャイナ服の嬢に『キューティーハニー』の主題歌を歌わせている。歌い終わった嬢に声をかける客。
「かわいい!」
「キモイなぁ」
「かわいかったよ!」
「キモイって言ってるでしょ!」

ははは、これは手厳しい。嬢が客をほめるのは簡単だが、客が嬢をほめるのは難しいな。
そこへ、オレンジ色の雨女さん帰還。

しかし、知り合って半年、いろんなところへ遊びに行った相手なのに、コスチュームひとつでこんなにも距離感を感じるものだろうか。
061031_23400001無論、この人にも女性的魅力はある。ほとんど脊髄反射的に「かわいいヤツめ」と思わせるところがあり、本人に「オイ、今の言い方は(男を落とすのに)使えるぞ!」と指摘してやることもある。
それは現実の女性に対する“萌え”なんだろうね。“萌え”と“惚れ”とは違うんだな、とこの人を前にしていると思う。『宮本から君へ』第五巻33ページの「あなたを な……なんかいいなと思いました!!」というあれ。あれは“惚れ”ではなく“萌え”だ。恋愛以前の原始的で無責任な可愛がり、とでも言うのかな。オタクの恋愛が発展しないとしたら、それは安全圏で“萌え”つづけているだけだからじゃないかな。
カメコ的視点でいる限り、そりゃ進展も後退もあるまいよ。歓喜も絶望もな。

ちなみに、数日後が雨女さんの誕生日だったので、俺は山のようなプレゼントを抱えていった。
061031_19510001そして、誕生日を前に雨女さんは「メイドのコスプレに憧れていた」という幼くささやかなカミングアウトをしたのかも知れない。それに対して、あまりに冷ややかに接しすぎたと反省し、今日になってからお詫びのメールを送った。すると、「プレゼントの入ってた袋のヒモに足をひっかけ、みんなの前で転んでしまった」という返事が……その路線を歩み続けるかぎり、確実にオタクの彼氏が出来てしまうぞ。
俺は「オタク同士の結婚」という落としどころだけは絶対に避けようと努めたからね。まあ、その結果が離婚では説得力ないか。

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