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2006年10月11日 (水)

■レセプターを増やそう■

や、やべえー! 先日「アニメはアニメだけでは終われない」と書いた矢先、『鉄コン筋クリート』観ちまったよ!
061011_22350001これは確実にアニメとして完結している。観た瞬間瞬間にカチッカチッ、と映像が役割を果たしていく充実感がある。「漫画のアニメ化」という意味では、ひとつの頂点。
しかし、あまりここで書くと記事にするとき困るし、主役二人以外のキャスティング(かなり驚愕の人選)はオフレコを厳命されたので、蒼井優について。
松本大洋の漫画といえば「男同士の友情」。でも、『鉄コン』のシロ役は蒼井優。もう俺は途中から「シロは女の子なんだ」と勝手に設定変えて観ましたね。そうすると、自然に「シロと一緒に暮らしたい」願望が生じて、身もだえするぐらいも萌えられます。音声のない漫画ではそうはいかないでしょ。紆余曲折の末にアニメ化されて良かった。
しかし、『時かけ』で大騒ぎしたと思ったら、こんなモノスゴイのが同じ年に公開されるなんて、すごい業界だよ、ホント。

さて、先日「アニメの“上がり”はDVD-BOXでは?」と書いたところ、さる業界の方から「著作権の問題はさておき」と前置きしたうえで「アニメの上がりはYouTubeで配信されること。世界中の人間が、国境を越えて好きなときに観られる。それがアニメの最良状態。僕らが小さい頃、アニメはタダで観るものだったじゃないか」との指摘が。
この意見も面白いけど、『ガンダム』を例にとると、「マイナー低視聴率番組が全国配給される」という事実そのものが歴史性を感じさせてくれたのよ。隣接したジャンル(この場合は劇場映画)の歴史に参加することを俺は“上がり”と呼んだわけ。でも、第一作を観て、「最初にガンダムが戦ったのは地球だよね」と真顔でいう人がいて、「え、そこから説明しないとダメなんだ!」と。
要するに、僕らにはアニメ特有のお約束やSF設定を受け入れるレセプターがあったけど、初めて「映画」として『ガンダム』に接する人たちにはレセプターがなかったんだ。
ところが、レセプター不要のアニメ、例えば今敏さんの作品なんかは逆にオタク受けが悪かったりしてね。「どうしてプロの声優を使わないんだ! ウケ狙いで有名俳優ばっか使いやがって!」と怒っちゃう人は、声優レセプターの刺激依存症。
で、『鉄コン』は色んな種類のアニメを受容する人にも、確実に新しいレセプターが必要になると思うよ。アニメを観たり「刺激を受ける」ことの目的は、レセプターを増やしていくことにあるのかも知れない。人間的成長ではなく、「生物として完成されていく」ことも映像を観る目的のひとつなんじゃないかな。

さて、六畳一間の我が家に実物大の始祖鳥がやってきた。
Ca270056いいですか、1/1ですよ? なのに1万円もしない。そろそろ、こいつら用の棚を買わないと、部屋がムチャクチャになるな……

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