■ポケットに名作を■
災害救助モノの映画のアイデア出しを頼まれていて、ようやく時間が出来たので、もう本筋そっちのけ、引きこもり少女の失恋話に仕立てて送る。プロデューサーからは24時間たっても返答なし。調子に乗りすぎたかな?
関係ないけど、「出版業界最底辺日記」は、なかなか元気づけられる本だ。1990年の有害コミック撲滅キャンペーンに関して「一ツ橋の腰抜けサオ師編集者が風邪をひけば、下請け三流エロ漫画編集者は末期ガンになるという、典型例」とバッサリ。この感覚、下請け孫請けの三流ライターにはよ~く分かる。
昨日。アトリエSさんが新製品をW社のスタジオに持ってきてくれたので、撮影立ち合い。PVC製の萌えフィグについて、いろいろと裏話が聞けて参考になった。
中でも面白かったのは、「ひょっとしてブログでレビューを書くのが目的でフィギュアを購入しているユーザーもいるのでは?」という指摘。だから発売直後は勢いが良くても、長く売れる商品(あるいはキャラクター)が減ってきているんじゃないだろうか。
「レビューのために買う」というのは、毎日食べたものの写真をブログにアップする感覚に近い。出来れば毎日レビューしたいわけだから、長持ちしなくても品数が多いほうがいい。アニメがいっぱい放映されたり配信されたりしているのも、似たような理由かも知れない。つまり、フィギュアを買ったりアニメを見たりするのが生理になってるの。
食べ物の記録をつけたい人は、なるべく色んなお店で毎日違った食事の写真を撮りたいわけだよね。だから、どうしても雑食性になる。アニメも同じじゃないの? 1クールか2クールずつショートスパンで見ていって、たまに『仮面ライダー』も混ぜてみたり、 Gyaoで『エウレカ』を見たりさ。もちろん、好き嫌いはあるにしても。
そして、そういう生理の中で「なかなか美味い」とか「ちょっとイマイチ」とか線香花火的な感動は絶えず起きている。「まずかったから、金返せ」って気分にはならない。まずいならまずいなりに、ネタにはなるじゃない。
熱狂的『エヴァ』ファンだったメグロくんが「新作映画が決定したのに、意外にみんな大騒ぎしないんだね」と怪訝な顔をしていたけど、そういうお前も、やけに冷静じゃん、と。つまり、歴史的・記念碑的アニメをみんな求めなくなったのかも知れない。
メルクマールは、個人の生理の中にあればいいんだよね。「日経キャラクターズ!」が休刊したのは「オタク文化全体を俯瞰で見渡す」ことに意味がなくなったからでもあると思う。今は携帯電話みたいに、それぞれのポケットに入る作品さえあればいい。ちょっと前まで俺も「アニメの本数が多すぎる」とほざいていたけど、逆に多くないとけいないんだよね。雑食するためには。
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