■海洋堂ならヘルス嬢でも知っている■
「フィギュア王」 104号 25日発売!
●Toy's NEW ARRIVAL 新作情報
やはり、萌えフィギュアというのは説明文が難しい。「LEON」をパクって書いていたら、「ですます調がヲタっぽくて痛い」と編集に注意された。例えば「制服キャラとしてはひさびさのクリーンヒットといえましょう」がNGだとしたら、「制服を着たキャラクターとしては、近年まれになかった見事な成功例と言えそうだ」の方がいいんだろうか? それって、「萌えのモード」に合った文章か? やはり萌えは恥と自虐の文化だ。次号で「ですます調」が消えていたら、俺の負けだと思って欲しい。
●ピュグマリオンの小部屋
今回から「ドール最新情報」と副題がついて、新製品コーナーに徹することになった。これは対象読者を読みきれなかったね。俺のドールへの入り口は、吉田良、澁澤龍彦だったから、女性向けにページをつくるのには無理があったのかも知れない。
●BRICK KINGDOM Vol.8
●VARIABLE RIDE 6th Ride
上記二つのコーナーについては、次号より別のライターさんにお願いすることになった。レゴの魅力、河森正治の魅力を俺だけが伝えるのは片寄っている、と前から意見していたからね。俺のラストの仕事は奇しくも『ガンヘッド』となった。他人に書かれなくて、良かったよ。
●『リーンの翼』のオーラちから Vol.3 最終回になる今回は、富野監督不在なので第5話を中心にした名台詞集という形になった。版元の用意した画像データだけを使って、いかに読者を立ち止まらせるか。しかも、『リーン』はタイアップじゃなくて、俺と担当編集たった二人が勝手にプッシュしている作品。勝手に応援しているわけだから、最新情報が優先的に回されてくるわけじゃない。そうなると、純粋に構成力で勝負するしかない。何度も作品を見て、記事の狙いを明確にせねば。「今回の台詞の選定は、物語のキーでありながら物語から切り離しても普遍性のあるものが基準になっています。だから、「お前様」とか、局所的に面白い台詞は入らなかったのです。逆に「セックスは戦争」なんていう下世話な台詞は欠かせないのです。それを考えると、リュクスは独白や説明が多く、主張の強い普遍的な台詞が皆無に等しいのです。写真も見直してみましたが、考え込むような暗い表情ばかりです。よって、リュクスが「華」になるとは、どうしても思えません。」 編集者へ送ったメールの一部。「人それぞれ」なんて言う前に議論が必要。
例えば、あさのまさひこさんの文章に、萌えフィギュアに対する「いわくいいがたい恥ずかしい賞賛」を認めて胸のつかえが下りた人はいると思う。しかし、いま必要なのはハイエンドなPVC製萌えフィギュアを「一般向けに」「浅く」「とっつきやすく」語る言葉、文体だ。
ガンプラが素晴らしいなんて誰にでも書ける。萌えフィグが素晴らしいなんて書くには、まず勇気がいる。僕が語りたいフィギュアには、海洋堂なんていうヘルス嬢でも知ってるブランドネームはないんだからね(そのヘルス嬢は大阪在住だったが)。
萌えフィグというのは、オタク文化の最前線に放置されている。誰もが恥とためらいを隠せない「痛い」趣味。だからこそ腑分けが必要だ。
「サービス満点の造形がナイスですね」(レプリカントVol.25より)なんて、そんな逃げ口上を書くなら、俺は白紙で原稿を出すよ。
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コメント
あ、お水のオマケ(天然水w)についてたフィギュアですね、海洋堂♪
私でも知っている・・・(爆)
そしてなぜか澁澤龍彦も(笑)
投稿: yuki | 2006年9月23日 (土) 20時27分
■yuki様
どうも海洋堂の知名度には、地域格差があるっぽいね。
澁澤龍彦はいいけど、吉田良を知っていたら引かれます(多分)。
投稿: 廣田恵介 | 2006年9月24日 (日) 13時13分