■萌えの魔の手■
「萌える!自衛隊最新ガイド」 発売中
●「自衛隊に対する“萌え”のメカニズム」執筆
島田フミカネ、MS少女、プラモのモ子ちゃん、『ぼくらの七日間戦争』、イラク派兵、日航ジャンボ機墜落……理論武装とまでは言わなくとも、柳の下の四匹目あたりの本なら、(たった2ページだけど)これぐらいは書いておかないと。
いずれ、「萌え本ブーム、あったよなぁ」と古本屋で手に取られる時が来るんだから、そのタイトルを恥じてはいけないよね。
●「我が自衛隊、かく戦えり」
映画やアニメの中での自衛隊戦史。これは編集部の用意したリストをピックアップして画像を用意して、ラフ切ってネームを書いて……という「作業」だったので無署名だけど、ちょっと意地を張って『リーンの翼』を入れてみたり。
で、この2つの記事の間に各ライターが「私は○○萌えです」みたいなことを語るコーナーがあって、そこを一番読んで欲しい。映画『最終兵器彼女』のちょっとした裏話になっているから。俺は、ちせという存在をちゃんと考証して描くべきだと思っていた。でも、専門用語を投入すればするほど、「この映画はマニアのためのものじゃない」と反発された。逆だと思ったね。マニアが唸るぐらいの説得力を持たせないと、一般の観客にも薄っぺらさがバレてしまうから。『タイタニック』だって、冒頭で巨船が沈没にいたる周到なシミュレーションが出てきたじゃないか。作り手が観客以上に無知であることは許されないのですよ。
さて、僕は中学のとき、ミリタリーモデラーだった。当時はタミヤニュースを購読していたんだけど、読者の投稿ページに「シャーマン戦車をピンクに塗っている」と書いている女の人がいてビックリした。その女性はプラモデルの戦車に萌えていたわけだけど、模型の世界って「女人禁制」のムードがあるから、あまり理解はされなかったように思う。
うっかり見落としていたけど、ミリタリーと女の子を結びつけたキーパーソーンで鳥山明は重要だね。あったあった、このへんの。これだったら笑って許せるというか、ミリタリー独特の硬さに対して緩衝材として女性キャラが作用している。すると、哲学を少女キャラを介して口当たりよくした『ソフィーの世界』なんかも、『もえたん』と変わらない気がしてくる。
萌え本っていうのは、『マンガ日本の歴史』みたいな“絵解き”でしょ。セクシャルなものって何にでも応用可能じゃない。「ああ、俺の好きなミリタリーの世界が萌えキャラに犯されていく!」……ミリタリーで萌え嫌悪の人たちは「貞操の危機」を感じているんじゃないかな。潔癖なんだと思う、彼らは。
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