■ラビィの肩甲骨■
辰巳出版「フィギュア通信」 Vol.1 発売中!
●美少女フィギュア、その純なる歴史
「萌える像」、「タミヤ人形改造コンテスト」、「キャンパスフレンズセット」、そして、俺自らデザインナイフで指を切りながら体感したガレージキット創成期。文章には書かなかったけど、WAVEの『ガルフォース』シリーズ特典フィギュア「全裸のラビィ」の肩甲骨を掘ったのは俺です。美少女モノを造形したのって、その肩甲骨だけだった。怪獣専門だったから。
こういうジジィの体験や知識は、ちょっとだけ若者の役に立てばそれでいいよね。不思議なことに、当時は美少女モノを見て「うまい!」「かわいい!」と思うことはあっても、自分でつくろうとは思わなかった。トーントーンは大好きで、人形改造コンテストに応募したのにさ。でも、不思議なもんでバンダイのラムちゃんはポーズ変えに衣装バリエーション、と3体はつくったんだ。当時はエアブラシを使って、ラムちゃんのイラストも描いてた。丸ペンとポスターカラーの時代だったね。
でも、ラムちゃんのキットを改造しても似顔絵を描いても、興奮もしなければ支配欲も沸かなかった。モチベーションが思い出せない。ラビィの肩甲骨は、WAVEさんの作業場にあったヌードグラビアを参考にしたけど、別に何とも……怪獣のウロコ彫るみたいな気分だった。これは俺が正常なのではなく、何か情緒的な欠損を抱えていたことの証拠じゃないか。ひたすら「作業」をこなしていたような気がする。
●「新世紀エヴァンゲリオン」定番製品 完全紹介
これはまあ、カタログですね。各メーカーさんとのブッキングに追われまくり、せっかくのコラムも雑駁なものになってしまった。つまんなかったら、容赦なくクレームをつけていただきたい。
さて、今日は『コードギアス 反逆のルルーシュ』のマスコミ試写。話しているのは、竹田靑滋プロデューサー。向かって左端は、僕をサンライズに入れてくれた内田健二さん。辛うじて僕の顔を覚えていてくれた。
で、入り口に藤津亮太さんがいたので、嫌がるのを無理して隣に座って、いろいろ愚痴聞いてもらっちゃった。やばい。俺、藤津さんのこと好きかも。
まあ、そんな話はともかく、 アニメ自体は禁断の力を手に入れた美少年、ヨーロッパ調貴族趣味満点、メカ戦たっぷり、PCゲーム調(と、俺には見えた)学園ドラマあり、謎も陰謀もあり、血も出れば泣かせもある、と5本ぐらいのアニメをすべてぶち込んだような壮大なもの。これ一本見てれば、他のアニメ5本分は切り捨てても構わないぐらい。
先日、チマチマといろんな作品を見てれば線香花火的な感動は得られると書いたけど、『コードギアス』は一本でやっちゃってる。美少年は分からないけど、メカ戦は最高、とかさ。CLAMPは嫌いだけど、安田朗さんのメカは好きだとかさ。満漢全席なんだけど、全部を食べる必要はない。そういうつくりになっている。一個一個の要素が立ってるの。(←バンダイのボーイズからの商品化第一弾は美少年フィギュアだし)
ファンサイトでオフ会開いたら、みんな別々の方向向いて話がかみ合わないかも知んない。それを一本のアニメでやっちゃう。感動のタグが、いくつも、何種類もぶら下がってる。
だから、多様性があるってのは強いよ。組織だけじゃなくて作品も。ちょっと無作法じゃないかと思える要素を入れといた方が、万が一のとき、一方向に倒れなくてすむからさ。俺がBLに目覚めても不思議じゃないよ。来年の今ごろは、美少年フィギュアがブームかも知れない。
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