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2006年8月17日 (木)

■2%は理論で出来ています■

ジ社のすぐ近くに移転したガ社に取材してきた。
060816_16500001_1鶴巻和哉監督にインタビューしたのだけれど、思わぬ流れで「萌え」「メカと美少女」に関してコメントがいただけたので、来月発売のグレートメカニックを待たれよ。
それで、ガ社の担当者が、たまたま俺がモデラーで食ってた頃にお世話になった方で、昨日書いたホビージャパンのくだりを思い出さずにはおれなかったよ。こういうのは偶然ではなくて「物語」だと俺は感じる。
しかし、中途半端に禁キャバして野朗ばかりと何日も仕事してると、引きこもりみたいな気分になるね。明日は王子バー行くので、ちょっとは心が潤うか……

さて、昨日は「自分の“好き”を疑えよ」というようなことを書いた。疑わないと何が起きるかというと、こういうものが出てくんの。「天敵のない文化はここまで腐るか」と萌えフィギュアに関して書いたけど、みんなの大好きなガンダムだって同じだよ。これ買うバカは、1/1ボトムズを知らないか、知ってても感動しなかった人間だよ。「ものをつくる」ということに関して想像力が欠如してる。だから、ちょっとでもいいから手指を動かして何かつくった経験というのは大事なんだ。
俺が出来の素晴らしい萌えフィギュアに感動したのは、俺自身が怪獣のガレージキットの原型師だったから。それも、才能の限界を知って最前線から退いたヘタレ原型師だから。

成分分析してみたよ。
廣田の萌えフィギュアへの思いの90%は汗と涙で出来ています
廣田の萌えフィギュアへの思いの5%は赤い何かで出来ています
廣田の萌えフィギュアへの思いの3%は言葉で出来ています
廣田の萌えフィギュアへの思いの2%は理論で出来ています
お、けっこう当たってるではないか! 「赤い何か」ってのが気になるけど。

じゃあ、お前のいう感動って何だ、と突っ込まれそうなので先に言っておく。既成の価値観が揺らぐってことだろ。映画は映画だよな、と思って観ていたはずなのに、「これは俺の知ってる映画じゃない!」と気がついた瞬間。先入観が壊れ、たった一人でスクリーンに相対する不安。不安を伴わないとしたら、それは感動させるシステムに乗せられているだけなのかも知れないよ?

だから、感動ってのは傷つくことでもあるんだよ。自分を自分と決定づけていた枠組みが崩れるんだから、そりゃ怖いし傷つくよ。さて、ここまで読んでもう一度コレを見てごらん。いかに感動から程遠いか分かるでしょ? もう予想進路上のものでしかないじゃん。先の読める人生の何が面白いっていうんだ?

だから、俺は離婚してから萌えフィギュアを買ったときは傷つきましたよ? キャバに金つかった方がぜんぜん気持ちは楽だって。でも、本当に価値があると認めたなら、傷つき恥をかきながらも買っていくんじゃない? 自分自身の感動にウソはつけないからさ。

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コメント

「感動っていうのは傷つくところにある」

 痛みを伴うから、楽しさも味わえるのかなぁ…

 廣田さんの言葉はいつもストレートです。

投稿: yuki | 2006年8月17日 (木) 23時04分

■yuki様
ひとつ得るためには、ひとつ失う必要がある。
そういうことだと思います。

投稿: 廣田恵介 | 2006年8月17日 (木) 23時33分

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