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2006年6月30日 (金)

■旅は続いていた■

本屋でオビに書かれた文句を見たとき、「あっ」と叫びそうになった。『ヨコハマ買い出し紀行』が終わった。
060630_02500001 部屋に帰ると、自分がこれを手にしたことの意味が、ありありと分かってきた。もう僕には、この漫画が必要なくなったのだ。だから、“終わってくれた”のだ。

北海道から帰ってきて以来、僕にとって(漫画を含む)フィクションのありようがすっかり変わってしまった。
北海道の原野を歩いているとき、はっきりと自分の内側と風景との境が消えていくのがわかった。頭で空想したものと、いま目の前にしているものとを分けて考える必要がなくなってしまったのだ。060617_13030001_1

この感覚を人に伝えるのは、大変難しい。つまり、僕が今日、『ヨコハマ』の最終巻を見つけたことも“旅の一部”だとでも言えばよいのだろうか?

『ヨコハマ』については、二度だけ書かせてもらえる機会があった。この漫画は「癒し系」などと“誉め捨て”られることがほとんどで、あの秘めやかで甘美な絶望を味わった人間は果たして何人いたのかな、と思う。

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2006年6月28日 (水)

■Honeyed words■

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←先日、決定稿が上がったばかりのこの映画について詳細を語ることは出来ないが、僕はセリフをお手伝いさせてもらった。
平坦に描かれている人物に癖を与えたり、雑駁に切り捨てられている人間関係に何がしかの感情を通わせたりするのが好きだ。そのシチュエーション、その人物にしか吐けないセリフを探してくるのは楽しい。時を忘れる。

ただ与えられた物語に対して、ひたすらセリフを書くだけの素敵な職業ってないものだろうか?と本気で思っている。
先日、ある仕事で関西弁オンリーの会話劇を書いた。三年間暮らした妻が関西人だったので、それが役立った。結婚も離婚も、失望も絶望も歓喜も快楽も、すべて等しく味方にできる。それが「書く」ということの強みなのである。

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2006年6月24日 (土)

■MOE~■

「日経キャラクターズ!」 No.13
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●80年代OVAの金字塔メカ
なぜか、やまとの完全変形ガーランドをカラー4ページで徹底紹介。
見どころは何といっても「アートミック発掘現場」で披露した高中由唯と時祭イヴの“風化箱入りガレージキット”でしょうか。

●U.C.ガンダムアームズ Vol.8
今回はジムです。

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俺はあまりアキバとかオタク系の食文化(メイド喫茶とかあの周辺)に積極的な関心を抱くほうではないのだが、昨夜はオープンしたばかりのCROSS KICHIJOJIという飲食ビルに女性二人と飲みに行った。
結果、接客もよく、レイヤーの女の子も可愛い。眼福なり。オキニが出来れば、通って楽しめるようなシステムにもなっている。この業界に疎いぬる&ゆるユーザーの俺からすれば、なかなか楽しめた。
が、そこまでやっといて名刺すらくれない、そのくせスタンプをためればポラ撮影できる……おいおい、ムシキングじゃないんだからさ。女の子目当てに客呼ぶんだったら、「ひょっとしたら」「うまくしたら」という、計算し切れない曖昧模糊とした期待感を抱かせなきゃダメよ。
いわゆる“大人買い”っていうのも同じだと思うんだけど、金もってるヤツが勝つってのはゲームとして程度が低いよ。本物のワクワクやドキドキはデジタル思考では作り出せない。
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←その後に一人で寄ったキャバの女の子が描いてくれた絵。字が違ってると思うが。

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2006年6月22日 (木)

■Sleepwalking■

「フィギュア王」 No.101
101
●ジブリ美術館“アードマン展”取材
たぶん、この本に宮崎駿さんの写真が載っているのに気がつくのは1万人に一人ぐらいでは。もっと目立つページにして欲しかった……

●BRICK KINGDOM No.5
レゴファンの皆さん、お待ちかね?のエクソフォース新作です。もちろん、河森名人のVAN-FORCE新作情報も。

●VARIABLE RIDE 3rd Ride「道なき道を」
河森ファンは、ラストのシュークリーム・ネタで和んでください。

●ピュグマリオンの小部屋
リトル・プーリップのミニ特集。取材相手が美人だとやる気が出ますね。これホント。

●Toy's NEW ARRIVAL
『ゼーガペイン』のプラモデル開発者インタビュー。このプラモデル、ホントにすごいよ。

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いまだ北海道ショックから立ち直れないのに(魂だけ向こうに置いてきてしまったような気分)、なんか忙しくなってきちゃったなぁ……。
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←本日の取材先で撮らせていただいたポスター。今年はファンタジーアニメが多いようですが、『リーンの翼』も決して忘れずに!

昔、ビートたけしが「生きることとは、あの世とこの世を行ったり来たりすること」と言っていたけど、ファンタジーというのは「日常と夢には境界がない」という明白な事実を前提にした表現形式だと思う。

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2006年6月18日 (日)

■Welcome to the real world■

060616_15040001 「えっ、もうビール飲んで赤くなってるの?」
ちげーよ。広大な原野を歩いていたら焼けただけだ。北海道焼けというやつ。
約束どおり、北海道限定キティを買って来てやったのに、その言い草は何だ?
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あの世とこの世の境界がなくなり、そこかしこに天国が転がっていた。
異界への入り口は路傍にひっそり咲いていた。
ファンタジーはスクリーンやモニターの中にあるんじゃない。歩いていく道の先にあるんだ 。060617_13380001

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2006年6月14日 (水)

■Good 80's■

「グレートメカニック」 21号
Gm21
●映像都市の文化誌 第10回
 「東京タワー編」

自称“濃いマニア”&自称“真っ当な映画ファン”から悪評ふんぷんの実写版『鉄人28号』を、小さいスペースながら精一杯応援! 俺はあの映画、大好きだね!

●ただひたすら“好き”というだけで特集する愛のページ
「電脳戦機バーチャロン」

ここまで無茶苦茶な文章を許してくれたSEGAさん、ありがとうございました。お陰で、11年ぶりのラブレターを書き終えることが出来ました……一言のウソもない正真正銘のラブレターを。

●矢立肇インタビュー 「サンライズの80年代」
実際に矢立さんご自身に会ったのは、そう何人も……いや、実は何百人といると思いますが、このインタビューはすご~く勉強になりました。

●オヤヂ酒場 第3回 『銀色の髪のアギト』『水のコトバ』
毎度毎度、よくもまあ藤津亮太さんは俺のようなダメ中年に付き合ってくれるな、と。でも、『水のコトバ』の対談は吉浦康裕さんがサイトで誉めてくださって……今年のアニメフェアで「公の媒体で評価しますよ」と約束して、一応は果たせましたよね? (えっ、グレメカは公の媒体じゃない?)

21号目の「グレメカ」は80年代特集。読むのに(最低でも)丸三日はかかる大ボリュームでお届けします。

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さて、明日から半年ぶりの北海道一人旅。前回の旭川が俗なら、今回のサロベツ原野は聖の旅。何しろ、また飛行機に乗れる! 行きも帰りも窓際を指定したさ、もちろん!
帰宅予定は17日夜。お仕事関係の各位、よろしくです。

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2006年6月 9日 (金)

■Vol.6■

「ノエイン もうひとりの君へ」 DVD Vol.6
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●ライナーノート構成
見本が届いたのは今日ですが、発売は23日です。
今回の原画は松本憲夫さんのカットが白眉かと。12枚のうち6枚しか載せてないけど、フォルムや表情が素晴らしい。
『ノエイン』はコンテでは二つのカットに分かれているのに、作画段階で一カットに繋がっていたりするので、カット袋を開けるまでドキドキ。
松本さんのカットなんてコンテには存在してなかったんですから!

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『弁護士のくず』、トータル的に原作の方がバランスとれてるんだけど、ちょっと松田優作なトヨエツの九頭も捨てがたい。たまたま知った「毎晩キャバクラに通い、二日酔いで法廷に出廷する」というキャラ設定に親近感を覚えたってだけなんだけど(笑)
でも、いいタイトルだよね。弁護士って言葉に社会的権威があるから成立するタイトル。「ライターのくず」ってのは、もう人間のくず(あるいはそれ以下)と同義だからシャレにもならんのよ。

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2006年6月 6日 (火)

■Preview■

060606_14040001 ようやくゴンゾさんから『ブレイブ ストーリー』の試写状が届いたんすけど。
とても観に行くヒマがありません。北海道から戻ってきてからかなぁ……。

そういえば『修羅雪姫』は、あまりにムカつく仕事だったので送られてきた試写状を破り捨てた。そのくせに、後からDVDで観るという愚行を犯したんだっけ。

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2006年6月 4日 (日)

■The balance■

放蕩の5月が終わり、約3~4人分の仕事が同時進行中で昼夜は逆転し食えども食えども腹は減りパソコンはフリーズしトイレの電球は切れる。携帯が鳴れば、仕事の電話。
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5人と同時に仕事をすれば、5つの体内時計と付き合わねばならない。メールの返事が24時間後という体内時計もあれば、3分と待たずに電話してくる体内時計もある。そりゃ昼夜も逆転するさ。

この狂った感覚、どっかで……おお、あの放蕩の日々と同じではないか。
聖も俗も、結局は同じ人間の中にあるので、朝まで飲むのも朝まで仕事するのも変わんない。バカ飲みして、バカのように働けばいいのだ。

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