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2006年5月27日 (土)

■純正的日式拉麵■

長年の恋患いを治療するため、もう13年ほど吉祥寺の病院に通っているのであるが、いつもの通い路にラーメン屋が出来ていた。カウンター席だけの店内はガラガラだ。入ろう。
060526_12300001 「一名様、こちらどーぞっ!」
まず自分で席を決めてはイカンらしい。なんかムカついたので昼から飲んでやろうとビールを追加注文すると、キリン一番搾りだった。しかも安い。が、誉められるのはそれだけだ。肝心のラーメンは塩辛く、スープは全て残した。
店内のレイアウトといい、どんぶりの選定といい、「次のHanakoの吉祥寺特集に載りたい」「吉祥寺の隠れた名店と呼ばれたい」願望が見え隠れして、どうにも痛々しい。
やっぱこう、ラーメン屋つーのはさ、「お好きな席、どうぞ~」なんて店内奥からのオバチャンの甘辛い声に誘われて二人がけのテーブル席につくと、目の前に東スポがぽんと出てきてさ……メニューじゃなくて東スポが先なんだ。何が言いたいかっていうと、どんなに作り手が気合入れて「手練オヤジは“ちょい和風”の格上げラーメンで味出し!」なんてLEONに取材されたいと志高くもって麺打っても、客なんかそんな本気でラーメンに挑んでこないって。本気じゃない客に「席、こちら」なんて指示しても嫌がられるだけだって。
そんな店の都合より、東スポを出すことがサービスだと信じ込んでるオバチャンの心遣いの方が客の心に残るんだ。どうすれば、そういうオバチャンの境地に至れるのか、俺たちは考えなくてはならんのよ。俺たちみたいな仕事している人間は。

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