■333m■
我慢できずに行ってきたよ、特別展望台250メートル。
ビートルズ特集の蝋人形館も行ってきたさ。フランク・ザッパまであった。で、同じレベルでキリストが実在の人物みたいに本物そっくりにつくって置いてある。歴史の教科書なんかよりスゲェ。毛沢東まであった、狂ってる(笑)。
そもそも、いつも住んでいる街を高空から見下ろすっていう感覚が普通でない。それを「おもしろーい」とか言っちゃうのって変性意識でしょ。
例えば、俺は12月にタクシーの中である人に向かって「そんなのってあるかよ!」みたいなことを怒鳴って、怒鳴られた本人もそれをよく覚えているようだけど、250メートル下のタクシーって可愛くてさ。チョロQなんてもんじゃないんだよ。あんな小さいマッチ箱の中のこと、別にどうだっていいじゃん?と思ってしまうのも、あながち無責任とは感じなくなるのだ。むしろ、あんな小さい狭い所で、たった二人の人間が、いったい何を争っていたんだか……と苦笑するやら涙するやら。
でも、地面に降りて地下鉄の場所を探し歩いていると「ズシン」とくるものがある。
いい感じのパスタ屋とかあるんだけど(有名なのかも知れないけど、俺は知らなかった)、それって「地上のこと」「現世のこと」って感じがすごくするのだ。
だって、 そこに行こうとしたら、それはそれで重たいことじゃないか。誰と行くのか、予算はいくらなのか、そもそも一人で行けない理由って何だ……等々。
だったら、せめて、その店が地面の中にあればメリハリつくのに、というのが僕の今の感覚だ。その高低のグラデーションを描くことにしか、興味がない。
「アンダーグラウンド」は村上龍が使っていたから、別の呼び名が必要だ。その地下に巣くう連中と高層タワーに住む連中とは何が違う?
そんなところから、ぼちぼち小説になっていく予定。
そして、明日は高い所には行かないけれど、すごい人と再会する。その名も「のっぽさん」。高見映さんのニックネームだ。だいたい、名前に「高」が入ってるのが人智を超えているじゃないか。
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