■空は未だ群青色の朝■
次の仕事まで5時間しかないので、歌舞伎町の雑居ビル4Fへ。こんな時間に来る客は珍しいのか、受け付けの女の子は戸惑いながら毛布を貸してくれた。「ありがとう」と言って、僕は三畳の薄暗い部屋へ潜り込んだ。ベッドは清潔だ。空調が効いているので寒くはない。昨日から今朝までのことをあれこれ考えながら毛布にくるまると、時計の針がとろけたように遅くなっていく。いつまでも時間が過ぎてくれない。
パソコンの電源を入れて、目的地までの経路を確かめると、いよいよすることがなくなった。
ちょっと早いがシャワーを浴びて外に出ると、今まで入ったことのないスタバでアイスティーとチーズの挟まったパンを頼んだ。まるで僕は旅行者のふりをしている。ラッシュアワーを避けて、りんかい線で東京エアポートへ。エアポートなのに飛行機はない。そのかわり観覧車があったが、もう約束の時間が近いので乗るのはあきらめた。前に来たときは、そんなこと考えもしなかった。
エアコンは適温。仕事は静かに進む。あわてずとも、今日のうちに僕の手から逃れてしまうものはない。何もかもが僕の手のひらを暖めてくれている。そんな心の平穏が、僕には癪でしょうがなかった。
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コメント
ひろたさま 新年あけましておめでとうございます。
今年はどんな作品が世間を騒がしてくれるでしょうね。とっても楽しみです。
お忙しいとは思いますが、お体は大切に。
投稿: TAKA | 2006年1月 3日 (火) 07時43分
■TAKA様
おけましておめでとうございます。
>今年はどんな作品が世間を騒がしてくれるでしょうね。とっても楽しみです。
年末年始、仕事の合間にいくつか観たものもあるのですが、感想をネットに書く気はしないですね。
というか、ネットとの付き合い方がよく分からなくなってきたので、いきなりここが閉鎖されていても驚かないでください(笑)。
投稿: 廣田 | 2006年1月 4日 (水) 16時59分
この記事ですが、「東京エアポート」ではなく「東京テレポート」でしたね。
まあ、そのときはそういう気分だったということで、特に直さずにおきます。
投稿: 廣田 | 2006年1月 4日 (水) 17時10分